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あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻

著:近藤恵介
著:冨井大裕

紙版

内容紹介

日本画家・近藤恵介と美術家・冨井大裕、2人の作家により2010年に制作された共作《あっけない絵画、明快な彫刻》シリーズは、2013年に川崎市市民ミュージアムで再展示され、その後、同館に寄贈されましたが、令和元年東日本台風(2019年)によって収蔵作品7点すべてが被災しました。
現代美術の修復というあまり例のない状況を経て、2023年3月、川崎市市民ミュージアムWEB上で展覧会を開催。
本書は、作品の修復過程を追いながら、以前のかたちを失ってしまった作品の新たな展開と、その経験をふまえて制作された新作、その経緯と心情の記録をまとめた一冊です。

「かつて、私(たち)がしたことが、作品として、記録写真として、テキストとして残り、ときにそれらが別の関係性を結び、新たな可能性をひらくこと、そしてその事実に向き合い、考え続けた作品の被災からの3 年間でした。」近藤恵介(本文より抜粋)

「これを「作品」として鑑賞するか、「資料」として調査するか、「挑戦」と受け取るか。仕掛けた側としては、以前と同じく「続くもの」としたい。「現役として」問いを投げかけ続けるもの。作品はそうでなければならないと思う。」冨井大裕(本文より抜粋)

目次

●「あっけない絵画、明快な彫刻 近藤恵介・冨井大裕」展(2010)
経緯のこと 近藤恵介/丁寧であること 冨井大裕/完成を更新する 近藤恵介/明快な絵画、あっけない彫刻 冨井大裕/作品による作品の解釈と、冨井さんの半分の作品の話(近藤さんと冨井さんの展示から教わったこと)成相肇
●「シリーズ・川崎の美術 響きあうアート」展(2013)
近藤恵介・冨井大裕 あっけない絵画、明快な彫刻〈再展示〉
●被災と修復(2019)
あっけない絵画、明快な彫刻からあっけなく明快な絵画と彫刻へ 佐藤美子(川崎市市民ミュージアム学芸室長)/作品の相関関係について 杉浦央子(川崎市市民ミュージアム学芸員)/応急処置にあたって 羽生佳代(川崎市市民ミュージアム学芸員修復担当)
●「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」展(2023)
あっけなかったのか? 近藤恵介/本当に続いてしまった「あっけない絵画、明快な彫刻」と、それから 冨井大裕
●Between the Lines 近藤恵介と冨井大裕の共同制作について 林卓行(美術批評・東京藝術大学准教授)
●作品リスト/作家略歴/あとがき

著者略歴

著:近藤恵介
近藤 恵介 Keisuke Kondo
1981年、福岡県生まれ。2007年、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。画家。現在、佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授。近年の主な個展に「絵画の手と手」(LOKO GALLERY、2022年)、連続展形式の「卓上の絵画」(MA2 Gallery、2017-2020年)など。作品集に『12ヶ月のための絵画』(HeHe、2014年)、論文に「卓上の絵画、線の振幅」(佐賀大学芸術地域デザイン学部研究論文集 第4号、2021年)など。
著:冨井大裕
冨井 大裕 Motohiro Tomii
1973年、新潟県生まれ。1999年、美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了。
現在、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科教授。近年の個展に「コンポジション -モノが持つルール-」(ATELIER MUJI、2018 年)、「Re construction 再構築」(練馬区立美術館、2020年)、個展「線を重ねる」(Yumiko C hiba A ssociates v iewing room shinjuku、2021年)、DOMANI plus @ 愛知「まなざしのありか」(愛知芸術文化センター、2022年)など。

ISBN:9784908062513
出版社:HeHe
判型:A5変
ページ数:88ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1D