抵抗者たち
増補新版
反ナチス運動の記録
著:池田 浩士
内容紹介
ヒトラーに抗した人びとの生と死、そしてその後を追う、アンチ・ナチス・ドキュメント。
失われゆく自由のなかで、なぜ、彼女/彼らは自分の生命を賭してまで、ナチスに抗ったのか。〈国民〉、白バラグループ、キリスト者の活動など、歴史的事実やフィクションを緻密に検証し、暴力と抵抗の足跡を明らかにした、著者の代表作。ナチスに自分を委ねることなく時代に抗った人びとの試みから、いま日本の現実を生きる私たちの姿が逆照射される。
目次
序章 最後の蜂起──オーストリア・一九三四年
コロマン・ヴァリシュの道 英雄の生と死ではなく われわれはなぜ沈黙したのか? 敗北のなかにあるもの
第1章 消された叫び──白バラと将校グループ
夜と霧の始まり ヒトラーの翳のなかで育って 白バラ・グループの生と死 旧体制からの反対派 破局に向かうドイツ? 処刑の部屋
第2章 地下の同志たち──共産主義者とキリスト者
「容赦なく火器を使用せよ」 統一戦線を求めて 国境を越える非合法文書 祝福か呪詛か──教会の二者択一 カトリックの抵抗 プロテスタントと告白教会
第3章 血と土にまみれて──〈国民〉たちの日々
売国奴と呼ばれながら ダヴィデの星と鉤十字 統合される〈少国民〉 「わたしを焼け!」──亡命と国内亡命 国民と非国民のあいだ 第三帝国の女性たち
第4章 あらかじめ見捨てられた抵抗──戦争と崩壊
文化の再生を求めて──亡命知識人たち 〈自由ドイツ〉の結成と活動 連合国の対応
オットー・クヴァンゲルの小さな抵抗 だれもが一人で死んでいく……? 一人から千人へ
終章 最初の蜂起──ブーヘンヴァルト・一九四五年
強制収容所の歌 解放とその後
後章 解放ののちに──自由と共生への遠い道
亡命者たち 生還者たち 過去と未来とのあいだで
参考文献
初版あとがき
軌跡社版あとがき
共和国版あとがき