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境界の文学

タブッキをめぐる九つの断章

著:和田 忠彦

紙版

内容紹介

『インド夜想曲』『レクイエム』などで現代イタリア文学に圧倒的な足跡を刻んだアントニオ・タブッキ。かれの最良の理解者のひとりにして友、そして翻訳者でもある著者が描き出す、タブッキに寄り添って歩んだ《旅》のメモランダム。夢や虚構と現実のあわいを生きたタブッキの風景と記憶が、かずかずの断片のなかに浮かびあがる。
タブッキの短篇「元気で」、そして1997年に収録されたふたりの対談を付す。

目次

出遭いと記憶から旅の書物へ

1、タブッキの風景を旅して
2、夢の痕跡、夢のほんとう──『夢のなかの夢』
3、ペソアからの航海
4、ピム港の女をめぐって

物語の水平線──インタビュー一九九七

5、時の認識と虚構をめぐって──『他人まかせの自伝』
6、時の感情を書くことをめぐって──『時は老いをいそぐ』

追憶の軌跡

7、 墓碑銘としての手紙──『いつも手遅れ』

元気で──『絵のある物語』より(アントニオ・タブッキ)

8、 夢うつつのはざまで──『レクイエム』から『イザベルに』へ
9、 眼のひと──タブッキ展によせて

旅のゆくえ──あとがきにかえて
タブッキ著作リスト

著者略歴

著:和田 忠彦
1952年、長野市に生まれる。東京外国語大学教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻は、イタリア文学。
著書に、『ファシズム、そして』(水声社、2008)、『声、意味ではなく』(平凡社、2004)、『ヴェネツィア 水の夢』(筑摩書房、2000)がある。訳書に、アントニオ・タブッキ『イザベルに ある曼荼羅』(2015)、『いつも手遅れ』(2013)、『時は老いをいそぐ』(2012、以上河出書房新社)、『ウンベルト・エーコ 小説の森散策』(2013)、『カルヴィーノ アメリカ講義』(共訳、以上岩波文庫、2011)など多数がある。

ISBN:9784907986223
出版社:共和国
判型:A4変
ページ数:216ページ
価格:2400円(本体)
発行年月日:2016年12月
発売日:2016年12月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB