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みんなの危機管理

スウェーデン10万年の核のごみ処分計画

著:須永 昌博

紙版

内容紹介

著者は、「こうすれば、日本は今より少しマシになる!! 「トイレなきマンション」問題は待ったなし!
環境省管轄に一元化し、正直に情報公開せよ! 将来世代に負の遺産を残さないモデルに学べ!」
とは声高に言わないが、スウェーデンの危機管理から学べば日本はもっともっとよくなると言う。

目次

第1章 「安全神話」のない国        
・日本 「安全神話の国」VS. スウェーデン「安全神話のない国」              
・危機管理とは危機を事前に察知して予防すること
・スウェーデン市民をあらゆる危機から守る三つの組織
・差し迫っている一番大きな危機管理は原発事故
・スウェーデンを襲う18の危機のエレメント
・ひるがえって日本には危機状況の把握リストはあるか

第2章 市民を放射線からどう守るか 
・原発事故が起こった場合の想定シナリオ  
・事故対処能力の総合評価レポート  
・2011年の演習の概要 
・第1ステージ(2011年2月2~3日)で起こった問題点 
・最初の2日間の想定訓練の中で起こった市民の不安 
・広域的な地域で起こった問題点 
・産業と企業への影響 
・政府・行政から市民への情報提供不足 
・想定訓練を通じて得た教訓のまとめ 

第3章 原発事故想定訓練から得られた対策 
・危機管理の一番の要諦は市民が正しい情報を得られること 
・総合訓練を通じての個人と市民への対策 
・行政組織人中心のグループへの対策 
・技術に携わるグループへの対策 
・社会経済的なグループへの対策 
・四つのグループの優先順位をなぜクローズアップしたか 
・環境汚染、健康、発病の不安に対してはオープンに情報提供を

第4章 情報公開の原則と電力会社の危機管理 
・総合訓練を通じて得た教訓で一番大事なのは情報公開 
・発電会社自身がどういう対策を持っているか 
・なぜ日本も批准した世界協定を実社会に持ち込めないのか 
・スウェーデンの原発の状況 
・国営企業バッテンフォールの危機管理 
・民間会社OKGの危機管理 
・使用済み核燃料貯蔵施設の危機管理  

体験ルポ 原発と核燃料廃棄物処理の実態 
・北のフォースマルクと南のオスカーシャム 
・国営の電力会社バッテンフォールと民間の電力会社OKG 
・福島の原発事故後のスウェーデンの世論調査 
・OKGとバッテンフォールの出資による核燃料管理会社SKB 
・SKBと使用済み核燃料最終処分場の建設認可のプロセス 
・SFRを運営する核燃料管理会社SKB
・原子炉を廃炉処理するための核廃棄物基金 
・SKBの核廃棄物処分計画 
・北のフォースマルクにあるSFR 
・北のフォースマルクに高レベルの廃棄物処分場が決まるまで 
・最終処分場が完成するまで貯蔵するオスカーシャムのClab
・最終処分場を最終処分場たらしめているもの 
・原子炉の廃棄処分=壊すコストよりごみ処分に3倍の処理コスト 
・政治のメカニズムで「決定するのは住民の意思」 
・核のごみ処理に環境省の役割がない日本  
・情報公開しないから国民の信頼が得られない

著者略歴

著:須永 昌博
須永 昌博
1940年 中国瀋陽生まれ。東京大学卒。(財)電力中央研究所にて植物工場の研究に従事。‘70年、スウェーデン大使館科学技術部。科学技術アタッシェとしてスウェーデン政府、大学、企業へのコンサルタントとして30年間勤務。
その後、スウェーデン製大規模無農薬野菜工場、スウェデポニック・アジア(株)社長をへて、(株)ノルディック商会代表取締役として、スウェーデンに対するコンサルタント業務を継続中。2002年より(社)スウェーデン社会研究所長、(社)日本・スウェーデン基金理事。グスタフ・スウェーデン国王より北極星勲章を叙勲。
2015年、病気のため死去。享年75。
中小企業診断士(工業)、鍼師・指圧師

ISBN:9784907717452
出版社:海象社(文京区)
判型:A5
ページ数:212ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2017年10月
発売日:2017年10月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:THY