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おおかみのこがはしってきて

著:寮 美千子
絵:小林 敏也

紙版

内容紹介

「ねえ、どうして?」
男の子がお父さんに聞きました。
アイヌの深い知恵に学ぶ命の物語。


アイヌに伝わる早口言葉を元に描かれた物語です。
親と子の対話を通じて、知恵の神髄に近づいていきます。
ストーリーは軽やかにテンポ良く、ユニークな飛躍を繰り返していき、
独特の面白みを醸し出しています。


【本書あとがきより】
アイヌの人々は、北の大地の先住民。はるかな昔から、大自然のふところで、豊かな暮らしを営んできた人々です。それは、大地から奪うのではなく、大地の恵み、それをもたらしてくれるカムイ(アイヌにとっての神)に 心から感謝する暮らし。人々が捕る鮭や鹿はカムイが遣わしてくれたもの、人々が捕る熊は客となって来てくれたカムイ自身と考え、心から感謝を捧げてきたのです。彼らは、一本の木を切り倒す時でさえ、深い祈りを捧げてきました。そんな人々の心の中には、とても豊かな、まるで天に輝くきら星のような物語の世界がありました。それは、北の大地からの贈り物。21世紀の今日、あまりにも多くの問題を抱えこみ、道に迷っているわたしたちへの、すばらしい贈り物なのです。(寮美千子)

著者略歴

著:寮 美千子
1955 年、東京に生まれ、千葉で育つ。県立千葉高校卒。1986 年、毎日 童話新人賞を受賞。1992 年、アリゾナの先住民居留地を訪れたのを機 に『父は空 母は大地』(画・篠崎正喜/1995 パロル舎、2016 小社より 改訂復刊)を上梓。2005 年、泉鏡花文学賞受賞をきっかけに奈良に移住。 奈良少年刑務所で詩の授業を行ない『世界はもっと美しくなる 奈良 少年刑務所詩集』(小社)などを上梓。先住民関連の著書に『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』( 画・小林敏也/小社)をはじめ、公益財団法人 アイヌ文化振興・研究推進機構の「アイヌ民話撰集」全 5 冊などがある。
絵:小林 敏也
1947 年、静岡県に生まれる。1970 年、東京藝術大学美術学部工芸科卒。 デザイナーを経た後、惹かれていた宮澤賢治の作品世界に本格的に取り かかる。1979 年からパロル舎でスタートした「画本 宮澤賢治シリーズ」(現在、好学社刊行)は、16 冊を数える。イラストレーションのみならず、 印刷技法や造本までも視野に入れたトータル的な絵本づくりを目指し、 その評価は高く、2003 年に第 13 回宮沢賢治賞を受賞。青梅の山間で「山猫あとりゑ」を営みつつ、侘び住まいを送っている。

ISBN:9784907542665
出版社:ロクリン社
判型:B5
ページ数:32ページ
価格:1700円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:YNA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:XA