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BIOCITY 79号 自然と文化をつなぐデザイン

宇宙観、信仰、伝統知を生かした自然保護

他著:古田 尚也
他著:鈴木 正崇
他著:柴崎 茂光

紙版

内容紹介

自然保護における新しい思想を取り上げる。人と自然の関係にたいする考え方は、時代とともに変遷してきた。近年では、人間社会と自然がひとつの「社会-生態系システム」を構成するという視点が生まれてきた。こうした思想は、人と自然をつなぐインターフェイスとしての文化(宇宙観・世界観、信仰体系、習俗、伝統知など)を重要視する。本特集では、この新潮流を実践する上で、ヒントとなる事例や理論を通じて、「自然と文化をつなぐデザイン」の輪郭を浮き上がらせる。

目次

自然と文化をつなぐデザイン
宇宙観、信仰、習俗、伝統知を生かした自然保護
監修 古田尚也 国際自然保護連合(IUCN)、大正大学地域構想研究所

4 巻頭言「自然保護に関する思想の変遷と新しい潮流」古田尚也
14 特別寄稿「日本の山岳信仰の歴史と現代:世界遺産登録と山をめぐる想像力の転換」鈴木正崇
22 「深くつながれた絆:保護地域における自然の文化的・精神的重要性」B. ヴェルシュレン+S. ブラウン
30 「守られる自然と失われる文化:保護地域における文化・民俗知の保全」柴崎茂光
36 「里山と社会との新たな関係:森林と人をつなぎ直す」八巻一成
44 「世界遺産 屋久島の近現代:島民の目線で辿る山林保全の歴史」寺田喜朗
54 「大山隠岐国立公園と文化体験:自然・文化の一体的な魅力発信の場へ」中山直樹
62 「四国遍路における遍路道の復活」向井公紀
68 「災害と共生する智恵と文化:伝統的な災害文化を踏まえ新しい災害文化をつくる」 島谷幸宏
76 「伝統的河川技術とレジリエンス:自然とうまく付き合う日本のグリーンインフラ」寺村 淳
84 「アートを生かした自然保護プロジェクト:ロヒンギャ難民キャンプでのゾウと人との共生」古田尚也

ミニ連載
90 奈良時代の書① 聖武天皇「雑集」_恵美千鶴子

連載
94 動物たちの文化誌㉖ 広重の動物たち_早川 篤
102 コミュニティデザイン学科通信⑬ 介護分野における課外授業_醍醐孝典
110 欧州グリーンインパクト② ジル・クレマンの庭_遠藤浩子
118 社会を動かすアートの新潮流④ 台北ビエンナーレ_清水裕子

著者略歴

他著:古田 尚也
古田尚也:大正大学地域構想研究所教授。1967年神奈川県生まれ。三菱総合研究所を経て、2009年より国際自然保護連合(IUCN)の日本オフィスにおいて生物多様性に関する国内外の政策展開に従事する。2015年より現職。編・著書に『Asian Sacred Natural Sites』(Routledge, 2016年)など。
他著:鈴木 正崇
鈴木正崇:慶應義塾大学名誉教授。専門は民俗宗教、祭祀芸能、民族生成の比較研究、および民俗社会を中心とする日本文化論など。著書に、『神と仏の民俗』(2001年)、『女人禁制』(2002年)、『山岳信仰』(2015年)、『熊野と神楽』(2018年)など多数。
他著:柴崎 茂光
柴崎茂光:国立歴史民俗博物館研究部・准教授。1972年埼玉県生まれ。専門は、林政学、民俗学(生業)。20代は現代的な視点から山村振興を考えていたが、地域を知れば知るほど、経済発展の歴史経路依存性を強く認識するようになり、現在の研究スタイルとなった。

ISBN:9784907083540
出版社:ブックエンド
判型:B5
ページ数:128ページ
価格:2500円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年07月01日