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日本固有の防災遺産 立山砂防の防災システムを世界遺産に

他著:五十嵐 敬喜
他著:岩槻 邦男
他著:松浦 晃一郎

紙版

内容紹介

日本有数の山岳観光地、立山黒部アルペンルートの隣に、火山活動と激しい浸食作用によってできた巨大な窪地「立山カルデラ」がある。1858(安政5)年の飛越大地震で、カルデラ内に大量の崩壊土砂が堆積し、以来、常願寺川が運ぶ土石流などによって、いく度となく災害が繰り返されてきた。これに対し技術者たちは、下流の人々の暮らしを守るため「立山砂防」と呼ばれる防災システムで立ち向かってきた。本書はユネスコ前事務局長の松浦晃一郎氏や、西村幸夫・日本イコモス委員長、2015年日本国際賞受賞の世界的工学者・高橋裕氏、石井隆一・富山県知事ら、各分野の泰斗が、さまざまな視点から世界文化遺産登録をめざす「立山砂防」の全貌に迫る。

目次

目次
巻頭言 人々の生活を守り続ける立山砂防│富山県知事・石井隆一
第一章 立山砂防の歴史と技術
日本および世界の土木史からみた立山砂防│五十畑 弘
常願寺川が育てた偉大な技術者たち│高橋 裕
第二章 座談会 「日本固有の防災遺産 立山砂防の防災システムを世界遺産に」│五十嵐敬喜+石井隆一+五十畑 弘+岩槻邦男+西村幸夫+松浦晃一郎
第三章 立山の自然と防災観
立山連峰から富山平野へ 北アルプスの自然と人のかかわり│岩槻邦男
人間の労働と文化遺産│五十嵐敬喜
立山カルデラ、人と台地のドラマ│本田孝夫
立山の自然特性と災害│飯田 肇
第四章 世界遺産登録へ向けて
自然と共生した世界に誇れる防災遺産・立山砂防│石井隆一
立山砂防を語り伝える女性たち│尾畑納子
立山砂防の防災システム、その顕著で普遍的な価値│西村幸夫

著者略歴

他著:五十嵐 敬喜
1944年山形県生まれ。法政大学名誉教授、日本景観学会会長。弁護士、元内閣官房参与。「美しい都市」をキーワードに、住民本位の都市計画のありかたを提唱。神奈川県真鶴町の「美の条例」制定など、全国の自治体や住民運動を支援する。
他著:岩槻 邦男
1934 年兵庫県生まれ。兵庫県立人と自然の博物館名誉館長、東京大学名誉教授。世界自然遺産候補地の考え方に係る懇談会座長。日本人の自然観にもとづく地球の持続性の確立に向けて積極的に発言している。94 年日本学士院エジンバラ公賞受賞。2007年文化功労者。
他著:松浦 晃一郎
1937年山口県出身。外務省入省後、経済協力局長、北米局長、外務審議官を経て94 年より駐仏大使。98 年世界遺産委員会議長、99 年にはアジアから初のユネスコ事務局長に就任。著書に『世界遺産─ユネスコ事務局長は訴える』(講談社)、『国際人のすすめ』(静山社)など。

ISBN:9784907083304
出版社:ブックエンド
判型:A5
ページ数:160ページ
価格:1800円(本体)
発行年月日:2015年11月
発売日:2015年11月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TNF