終をみつめて
往復書簡風のように
著:八木 誠一
著:得永 幸子
紙版
内容紹介
宗教哲学者と、孫弟子である声楽家とが、足かけ27年にわたって書簡を交わしました。人生航路の終盤にさしかかり、最後の帰港地を意識しつつの本音の対話です。
死と重なって見えてきた、人生でもっとも大切なものとは何か。何を捨て、何を残そうとするのか。憧れの対象にとどまった「ふるさと」とは何だったのか。そして、帰っていくところとは……。
弟子の突っ込みが、思わぬつぶやきを誘い出します。積み重ねた歩みをかけての真剣なやりとりは、死の知られざる一面と生き方の極意とを浮かび上がらせて……。
目次
プロローグ 白い道
序章 長い夜と望郷──還っていくところとは
第1章 「ふるさと」の原風景
第2章 成熟の風景──捨てる季節の自我と他者
第3章 仮面と語りえぬもの
第4章 老いに寄り添って
第5章 死者の残したもの
終 章 回心と寂静──神の息を呼吸する
エピローグ 還りの道に立って