時間と死――不在と無のあいだで
不在と無のあいだで
著:中島義道
紙版
内容紹介
──七歳のころから「私(ぼく)が死ぬとしたら人生には何の意味もない」という叫び声が私の体内に響いていた。 (「はじめに」より)
そこにあると思っている客観的世界も、流れてやまないと信じられている時間も、「不在」なのではないか──常識の骨組みを、一つ一つ抜き去ってきた哲学者が、ついに「私」の死の問題に挑戦する。
客観的な世界が仮象なら、死は世界からの消滅ではない。死とは、不在から無への転換、不在である「私」がほとんど失うもののない転換なのだ。
目次
第1章 時間と「時間」という概念
第2章 過去が「もうない」とはいかなることか?
第3章 現在が「ある」とはいかなることか?
第4章 未来は「まだない」のか?
第5章 「私」の死