資本の専制、奴隷の叛逆
「南欧」先鋭思想家8人に訊くヨーロッパ情勢徹底分析
編著:廣瀬 純
他著:サンドロ・メッザードラ
他著:マウリツィオ・ラッザラート
内容紹介
安倍自公政権下のここ日本で誰もが知ることになったのは、今日の資本にとって民衆は「搾取し続けるために生かしておくべき“労働者”」であることをやめ「死ぬまで収奪し尽くすべき“奴隷”」になったという事実だ。
本書の各論者が、ギリシャとスペインを軸に現代ヨーロッパの「物質的構成」について展開する分析で「金融独裁」「植民地主義」「内戦」「カタストロフ」といった言葉で語るのもまた、資本による民衆のこの奴隷化にほかならない。
メトロポルの奴隷たちはいかに叛逆するのか。
いかにして彼らは攻勢に転じ「制度」を奪還するのか。
21世紀のコミュニズムは“自己組織化するアンダークラス”とともに到来するだろう。
目次
Ⅰ ヨーロッパ
「危機」の政治化 サンドロ・メッザードラ
論考 ブリュッセルの「一方的命令」とシリザのジレンマ
エチエンヌ・バリバール/サンドロ・メッザードラ/フリーダー・オットー・ヴォルフ
資本の戦争的本性とその回帰 マウリツィオ・ラッザラート
集団的知力の自己組織化のために フランコ・ベラルディ(ビフォ)
論考 「ヨーロッパ」を名実ともに消し去ろう フランコ・ベラルディ(ビフォ)
Ⅱ スペイン/ギリシャ
「大衆」は突破口を探し求めている——ギリシャとスペイン フアン=ドミンゴ・サンチェス=エストップ
新たな闘争サイクル——スペイン① ラウル・サンチェス=セディージョ
論考 野生的で構成的な民主主義のために アントニオ・ネグリ/ラウル・サンチェス=セディージョ
「匿名の政治」の出現とその運命——スペイン② アマドール・フェルナンデス=サバテル
論考 文面的政治と文学的政治——政治的フィクションと15Mについて
アマドール・フェルナンデス=サバテル
「バルサロナ・アン・クムー」とは何か——スペイン③ パンチョ・ラマス
論考 侵入の世代 パンチョ・ラマス
侮辱された人々による「ファック・オフ!」——ギリシャ スタヴロス・スタヴリデス
論考 シンタグマの後で スタヴロス・スタヴリデス
解説 現代南欧政治思想への招待 廣瀬 純