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追跡ルポルタージュシ 少年たちの未来 5

大切な忘れもの

自立への助走

著:横川 和夫

紙版

内容紹介

いじめ、ひきこもり、不登校、自殺、アダルトチルドレン、拭えない寂しさ、未成熟な大人……。原因を追求すると、必ず育った環境や受けた教育、親の問題へとたどり着く。

目次

まえがき

第1章 今のままでいいんだよ
断ち切れない「偏差値神話」/中央集権体制の文科行政/学校間格差の拡大/自分で考え、自分で決める、自己決定の姿勢/偏差値依存症をどう断ち切るか

第2章 不登校の軌跡
いじめで死んでほしくない/パンクの男が命の恩人に/同世代とは違う人生/人の視線も気にならず/姉も妹も不登校/長女の痛みを感じとる/みんな行くのになぜ/「パパ。忘れもの! 」/私の名前はちょっと/父母のけんかに不安感/祖母の言葉が暁の慰めに/産んで彼と一緒の生活を/子どもは勝手に育つ/勉強するのは12年ぶり/この学校、自由がないよ/お宅の子だって育つよ/自分一人で生活したい/嫌いなものは勉強するな/親の腹が固まれば……/「東京シューレ」設立まで/仕事一筋の人生を反省/厚生、文科行政との闘い

第3章 変わる親たち
自分のことは自分でしてね/私を妹と比べないで/お前は孫を殺すのか/よみがえる幼児期/干渉が“虐待"と気づく/私はアダルトチルドレン/幼稚園から代理妻・代理母/言うまい、感じまい/あんな親になりたくない/私、迷ってる/教師生活のうらみが噴出/学級通信、毎日出すな/頑張りすぎて2年休職/私は囲いのなかの豚/「よい子」はもう終わり/ぎくしゃくした親子関係/まず謝らせてほしいの/一生、一緒にやっていく/家のなかに幸せあるんだ/自立できなかった/私は優等生症候群/存在感のない父親/親に心配かけない人生

第4章 賢治を生きる
やんちゃな女の子/学生運動たたり病気に/2年後に同僚と結婚/授業で勝負、が孤立へ/女の子が私を変えた/寂しさをごまかしていた/自分を変えないで無理よ/教師として再生/夫と妻が交互に飛びだす/未成熟な男に直面して/弱みをさらけだす母親/子どもは親の世間体に/自分を表現できない/真のつながりを取り戻す

第5章 私は私――過食嘔吐からの脱出
私を苦しめた過食嘔吐/心の穴を食べ物で埋める/鏡に映る膨らんだおなか/ブクブク太るのは罪悪/負い目と優越感と/「ぼくが治してやるよ」/もう吐かないで、と夫/嫉妬心に火が付いて/埋めこまれた寂しさ/私、実は摂食障害なの/父親の涙に胸を詰まらせ/寂しさを置き換えて/1週間止まった嘔吐/バハマでの不思議な体験/4本の柱に支えられて/弱みに付けこまれ借金/病根は奥深いところに/執着する母親との関係/真っ黒なベッドの夢/心の奥深くに怒りの渦/条件付きの母親の涙/母親も下剤使って/母を幸せにしないと/人生観変えた妹の死/仕事中心で家庭犠牲/生活を楽しむ大切さ

著者略歴

著:横川 和夫
1937年、小樽市生まれ。60年、共同通信社入社。72年に文部省(現文科省)を担当して学校教育のあり方に疑問を感じ、教育問題、学校や家庭から疎外された少年少女、さらには家族の問題を中心に、日本社会の矛盾が表出する現場を一貫して追い続けてきた。論説兼編集委員を経て現在はフリー・ジャーナリスト。著書「仮面の家=先生夫婦はなぜ息子を殺したのか=」(共同通信社刊)で93年度日本新聞協会賞を受賞。

ISBN:9784905447054
出版社:駒草出版
判型:B6
ページ数:284ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2012年05月
発売日:2012年05月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN