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津波のまちに生きて

著:川島秀一

紙版

内容紹介

気仙沼に生まれ、育ち、被災した民俗学者が、地震・津波の状況と三陸沿岸の生活文化を語る。人間と海との強いかかわりを探り、真の生命を取り留めえる「復興」を示す。

本書は、この度の震災だけでなく、震災以前の三陸沿岸の生活文化まで記録してある。…それは、ただ経済的な理由だけで一律的・物理的・効率的に復興を目ざすのではなく、その地域それぞれの地勢や風土、生活の特質に見合った復興の仕方を考えなければ、災害のないムラづくりなど構想できないからである。漁労文化を置き去りにした復興は、本当の復興には成り得ない。─「あとがき」より

目次

序 流されたものたちへ
Ⅰ 津波をめぐる生活文化
津波と伝承─山口弥一郎『津浪と村』をめぐって
流された漁村に立つ
浸水線に祀られるもの
体に刻まれた記憶
三陸の漁師と津波

Ⅱ 三陸沿岸の生活文化
黒潮の果てから
気仙沼港の「みなと文化」
熊野漁民の東日本出漁
海から見えた山の神─東北太平洋岸の漁師の信仰
『遠野物語』を海から読む
漁師と「寄り物」
漁師の呪術観─気仙沼市小々汐、尾形栄七翁の伝承
あとがき
初出一覧
 

著者略歴

著:川島秀一
1952年生まれ。宮城県気仙沼市出身。法政大学社会学部卒業。文学博士。東北大学付属図書館、気仙沼市史編纂室、リアス・アーク美術館等を経て、現在、神奈川大学特任教授。日本常民文化研究所研究員。著書に『ザシキワラシの見えるとき』『憑霊の民俗』『魚を狩る民俗』(以上、三弥井書店)、『魚撈伝承』『カツオ漁』『追込漁』(以上、法政大学出版局)、編著に山口弥一郎『津浪と村』(三弥井書店)などがある。

ISBN:9784905194347
出版社:冨山房インターナショナル
判型:4-6
ページ数:248ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2012年04月
発売日:2012年04月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS