社会を変える教育 Citizenship Education
英国のシティズンシップ教育とクリック・レポートから
編著:長沼 豊
編著:大久保 正弘
著:バーナード・クリック
内容紹介
2002年のブレア政権下に導入された英国のシティズンシップ教育。政治への参加、ボランティアへの参加や地域で支え合う市民(シティズン)を育む教育カリキュラムである。
この教育カリキュラムが欧米でも日本でも話題を呼んでいる。日本では、品川区の「市民科」、各地の「ご当地科」が生まれたり、教育課程の見直しもなされている。
シティズンシップ教育だけでなく、ナショナルテストの導入や、教育基準局(OFSTED)の設立など、英国の教育改革を評価し、日本に導入しようとする動きが多くみられるようになっている。
本書では、英国のシティズンシップ教育の事例をもとにして、日本の公民・社会科の今後のあり方、日本におけるシティズンシップ教育の導入の可能性を論じている。(第1・2編)
第三編では、英国の政治学者バーナード・クリックを委員長とする「シティズンシップ教育に関する諮問委員会」の最終報告書(通称:クリック・レポート)の邦訳版を収録。英国におけるシティズンシップ教育の導入過程や議論などを知るための重要な文献である。
教育関係者だけでなく、国・地域の政策立案に携わる方、教育や政策、市民活動やボランティアについて関心のある方に、ぜひ読んでいただきたい一冊。
目次
第一編 現下の教育課題とシティズンシップ教育
1. 教育をめぐる現代的課題とシティズンシップ
2. 社会参加・政治参加としてのシティズンシップ教育
第二編 わが国におけるCitizenship Education の導入の可能性について
-英国の事例との比較分析から-
1. 社会の変化と日本の教育における状況
2. わが国における社会科の系譜とCitizenship の教育をめぐる新しい動き
3. 英国の教育改革とCitizenship Education の導入過程
4. 英国におけるCitizenship Education の事例分析-その内容と組織体制-
5.Citizenship Education の導入,その現状と課題
6. わが国における教育の今後の改善にむけて
第三編 シティズンシップのための教育と学校で民主主義を学ぶために
Education for citizenship and the teaching of democracy in schools
Final Report of the Advisory Group on Citizenship, 1998, QCA
1. はじめに
1. 序 2.Citizenship の意義 3. 市民教育:その必要性とねらい
2. 提言
4. 提言の骨子 5. 今後の方法
3. 詳説
6. 市民教育の枠組み:到達目標
7. 他の教科と連携により市民教育を実現させる方法についての提案
8. 市民教育における学習を主要技能の育成に役立たせる方法
9. 学校全体の課題
10. 意見の分かれる問題を取り扱う際の指導法
11. おわりに
ISBN:9784904933015
。出版社:キーステージ21
。判型:A5
。ページ数:216ページ
。定価:2000円(本体)
。発行年月日:2012年09月
。発売日:2012年09月30日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA。