新しい韓国の文学シリーズ
都市は何によってできているのか
新版
著:パク・ソンウォン
訳:吉川 凪
紙版
内容紹介
本作は深い内省と探求から生まれた8つの短編で構成されていますが、それらは、独立した物語でありながら、同時に1つの長編小説のようにつながり合い、互いに共鳴し合っているのです。
【全部読まねば「都市」が見つからない。パク・ソンウォンワールドの八篇のストーリー】
この作品には短編集『キャンピングカーに乗ってウランバートルまで』と『都市は何によってできているのか』の小説が同名2作目まで収録されており、「キャンピングカー」にでてくる「僕」が「都市は-2」にも登場するという、ユニークな構成になっています。二つとも違う背景の作品ではありますが、「僕」が家族を通して追求していた幸せの理想は「何」なのかが淡々と語られ、遊牧民のような「放浪生活」をし続けていく「僕」の話は私たちの話でもあるような気がします。軽いタッチで書かれたパク・ソンウォンワールドの「放浪」をお楽しみください。
姉と僕は誕生日が数日しか違わない。そんな姉を姉とよんでいいのかどうか、僕は昔から何とも判断が付きかねている。早い話が僕は父の隠し子だ。それも本妻と同じ時期に妊娠させたというから、その手際の良さには舌を巻く。父はたぶん当時から遊牧民気質を持っていたのだろう。
-「キャンピングカーに乗ってウランバートルまで」から
ISBN:9784904855157
。出版社:クオン
。判型:B6
。ページ数:383ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2012年10月
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。