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女たちの声

著:工藤 庸子

紙版

内容紹介

〈言語環境〉に潜む、性差の力学を問う。スタール夫人、ラーエル・ファルンハーゲン、ハンナ・アレント、ボーヴォワール、マルグリット・デュラス、コレット、ヴァージニア・ウルフ──。仏文学・ヨーロッパ地域文化研究者の刺激に満ちたエッセイ集。

羽鳥書店HPで連載された「人文学の遠めがね」15編(「ベンジャミン・フランクリンの恋文」「二本のネクタイ あるいは男女格差について」「性差のゆらぎ」「両性具有──排除的分類ではなく」「わたしたちの社会的アイデンティティを剥奪しないでください──選択的夫婦別姓」「大江健三郎と女性」「女のエクリチュール」等)と、書下ろし100枚「〈声〉と〈書くこと〉をめぐって──デリダ/スタール夫人/アレント」を収録。

目次

人文学の遠めがね
I ベンジャミン・フランクリンの恋文 その一
II ベンジャミン・フランクリンの恋文 その二(KYのメモ)
III 二本のネクタイ あるいは男女格差について
Ⅳ 性差のゆらぎ
Ⅴ 両性具有──排除的分類ではなく
Ⅵ わたしたちの社会的アイデンティティを剥奪しないでください──選択的夫婦別姓
Ⅶ 女たちの声
Ⅷ 続・女たちの声──六七年の記憶
Ⅸ 「性愛」と「おっぱい」
X  元祖は皇帝ナポレオン?
X I  大江健三郎と女性(一)──contemporaineであるということ
X II  大江健三郎と女性(二)── 政治少年のéjaculation
X III  大江健三郎と女性(三)──「全小説」とfictionとしての「小説家」
XⅣ 女のエクリチュール
XⅤ ゼラニウムの微かに淫靡な匂い──続・女のエクリチュール

〈声〉と〈書くこと〉をめぐって──デリダ/スタール夫人/アレント

「あとがき」にかえて

著者略歴

著:工藤 庸子
フランス文学、ヨーロッパ地域文化研究。東京大学名誉教授。著書に、『ヨーロッパ文明批判序説──植民地・共和国・オリエンタリズム』『近代ヨーロッパ宗教文化論──姦通小説・ナポレオン法典・政教分離』『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ──フランス革命とナポレオン独裁を生きぬいた自由主義の母』(いずれも東京大学出版会)、『政治に口出しする女はお嫌いですか?──スタール夫人の言論vs.ナポレオンの独裁』(勁草書房)。訳書に、『いま読むペロー「昔話」』訳・解説(羽鳥書店)、コレット『シェリ』(岩波文庫)。編著に『論集 蓮實重彥』(羽鳥書店)、共著に『〈淫靡さ〉について』(蓮實重彥、羽鳥書店)。他、多数。

ISBN:9784904702772
出版社:羽鳥書店
判型:B6
ページ数:200ページ
価格:2400円(本体)
発行年月日:2019年06月
発売日:2019年06月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS