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人工社会の可能性 6

アナーキーな社会の混沌と秩序

マルチエージェント国際関係論のフロンティア

編著:山影 進

紙版

内容紹介

戦争の行方、歴史の再現、震災避難など実験困難な問題にシミュレーションを可能にする注目の新手法の最前線

目次

序章 山影進 マルチエージェント国際関係論への誘い 0 0 9
1. 社会を科学することとマルチエージェント・シミュレーション 0 1 0
2. シェリングの洞察,アクセルロッドの幸運 0 1 2
3. アナーキーな世界と複雑系 0 1 5
4. 集団的意思決定の新しい捉え方 0 1 8
5. 解釈から実証へ 0 2 0
6. 理解から政策へ 0 2 2
7. 本書の目的と構成 0 2 4

第 I 部 国民国家の統合と分裂

第1章 光辻克馬 社会的多様性と国民統合の複雑な関係性 0 2 9
1. 社会的多様性とナショナリズム 0 2 9
2. 創発するナショナリストモデル(ENM)0 3 6
3. きわめて均質な社会からきわめて不均質な社会まで 0 4 2
4. 社会的多様性と国民統合の複雑な関係 0 4 5
5. おわりに─ENMから分かること 0 5 0

第2章 中井豊 政治的で排他的な互助集団としてのネーションの創発 0 5 3
1. 政治的で排他的な互助集団 0 5 3
2. プリミティブな政治的行為としての政治 0 5 5
3. 政治的な一般交換とホッブズ状態 0 5 6
4. タグと自集団での評判に基づく友人選別戦略(Friend Selection Strategies based on Tag and Reputation in Group: FSS-TRs) 0 5 8
5. 進化シミュレーションの流れ 0 6 1
6. 内集団びいきの拡大と政治的で排他的な互助集団の発生 0 6 3
7. おわりに 0 6 8

第3章 阪本拓人 スーダンの持続的平和のためのマルチエージェント・シミュレーション 0 7 1
1. 仮想国家:モデルとデータ 0 7 2
1.1 仮想国家の構成 0 7 2
1.2 仮想国家の状況設定 0 7 3
1.3 仮想国家における相互作用 0 7 6
2. 仮想スーダンのシミュレーション:政策介入なしの場合 0 7 8
2.1 再現対象とパラメータ設定 0 7 8
2.2  シミュレーションの結果 0 8 0
3. 仮想スーダンへの政策介入:多元主義,分権化,分離独立 0 8 2
3.1 多元主義的政府の樹立 0 8 4
3.2 南部地域への自治の導入 0 8 5
3.3 南部地域の分離独立 0 8 7
4. おわりに 0 8 8

第 II 部 国際関係に見る創発
第4章 鈴木一敏 動態的「囚人のジレンマ」と相対利得の合理性 0 9 5
1. 国際関係論と相対利得 0 9 5
2. 動態的「繰り返し囚人のジレンマ」モデル 0 9 8
3. 実験の構造と結果 1 0 4
4. おわりに 1 0 9

第5章 湯川拓┼吉本郁┼山影進 政策拡散とネットワーク効果 1 1 3
1. 問題設定 1 1 3
2. 政策拡散のモデル化 1 1 7
2.1 基本的方針とパラメータの設定:ネットワークの導入 1 1 7
2.2 モデル 1 1 8
2.3 変数の操作 1 2 1
2.4 解釈 1 2 3
3. 試行結果 1 2 4
4. メカニズム 1 2 6
5. ロバストネス・チェック 1 3 0
6. おわりに 1 3 2

第6章 保城広至 グローバリゼーションと地域主義の創発 1 3 7
1. 自由貿易協定の決定要因 1 3 8
2. ベース・モデル 1 4 0
3. 政治体制と地域主義 1 4 1
4. 距離と自由貿易協定 1 4 4
5. おわりに 1 4 6

第 III 部 国際体系の変動
第7章 伊藤岳 拡大と疲弊の相互作用が生む戦争規模の法則性 1 5 1
1. 戦争の法則性を巡って:系譜と到達点 1 5 2
1.1 リチャードソンの着想と戦争の理論 1 5 2
1.2 ベキ乗分布の数理と含意 1 5 3
1.3 リチャードソンの法則再訪 1 5 4
2. モデル 1 5 7
2.1 既存モデルの限界と仮説 1 5 7
2.2 モデルの定式化 1 6 1
3. 試行結果 1 6 8
3.1 予備的試行と検証手順 1 6 8
3.2 パラメータの推計結果 1 7 0
4. おわりに 1 7 6

第8章 光辻克馬┼山影進 国際社会における構成員の変動と規範の交代 1 8 3
1. MAS受容の障碍を越えて 1 8 3
2. 国際規範の変動へのアプローチ 1 8 6
3. 閾値モデル 1 8 8
4. 閾値モデルから国際規範変動モデルへ 1 9 0 
5. 植民地問題に関する国際規範変動モデル 1 9 2
6. シミュレーション結果の概要 1 9 6
7. 吟味̶̶シミュレーションにおける歴史の再現性 2 0 1
8. おわりに 2 0 2

第9章 瀬島誠 中国の台頭とパワー移行理論の射程 2 0 7
1. パワー移行論 2 0 8
2. なぜ,シミュレーションを行うのか 2 1 0
3. 朝貢モデルを用いたパワー移行のシミュレーション分析 2 1 2
3.1 朝貢モデルの説明 2 1 2
3.2 パワー移行論を検討するための修正と結果およびその検討
4. ランドスケープ理論による現在のアジア・太平洋情勢の検討 2 2 1
4.1 ランドスケープ理論によるシミュレーションについての説明 2 2 1
4.2 ランドスケープ理論によるシミュレーションモデルのアジアへの適用 2 2 5
4.3 結果とそのインプリケーションおよび今後の課題 2 2 7
5. おわりに 2 2 9

参考文献 2 3 4

あとがき  2 4 7

著者略歴

編著:山影 進
1972年東京大学卒業。1982年マサチューセッツ工科大学Ph.D.専攻は国際関係論、特に国際関係理論、比較地域体系。東京大学教授(1991~2012年)を経て、現在青山学院大学国際政経学部教授。<主な著作)『国際関係論』(共著、2002年)『コンピュータのなかの人工社会』(共著、2002年)『人工社会構築指南』(2007年)『新しASEAN』(編著)他多数。

ISBN:9784904701379
出版社:書籍工房早山
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2014年05月
発売日:2014年05月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS