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シリーズ日本語の醍醐味 1

アンゴウ

著:坂口 安吾

紙版

内容紹介

【2023年5月現在、新本が定価(2,200円+税)で購入可能】

「私は生き生きと悲しもう。」(「ふるさとに寄する讃歌」より)
ほとばしる才気、あふれ出る詩情、青い安吾がここにいる。

 坂口安吾の詩情あふれる初期の作品を中心に、これまであまり単行本に収録されてこなかった、埋もれた名作・佳作を集成。
 散文詩を思わせる言葉の連なりが美しい「ふるさとに寄する讃歌」を皮切りに、狂気をはらむ親友の死を描いた「長島の死」、壮絶な恋愛小説「花火」、ユーモラスなどんでん返しが鮮やかな「無毛談」、妻と親友への疑心が意外な結末へとつながる感動の名作「アンゴウ」、安吾流ファルスの到達点ともいえる「保久呂天皇」など、29作品を収録した。

※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。

目次

ふるさとに寄する讃歌
〔翻訳〕ステファヌ・マラルメ──ヴァレリイ
Piérre Philosophale
傲慢な眼
山麓
山の貴婦人
宿命のCANDIDE
長島の死
淫者山へ乗りこむ
流浪の追憶
母を殺した少年
お喋り競争
手紙雑談
山口修三宛書簡
夏と人形
南風譜
閑山
紫大納言
囲碁修業
探偵の巻
市井閑談
二流の人(抄録)
我鬼
花火
無毛談
アンゴウ
死と影
日月様
保久呂天皇

解説/七北数人

著者略歴

著:坂口 安吾
1906年、新潟市生まれ。本名炳五。新潟中学3年次に東京の豊山中学に編入。卒業後、小学校の代用教員として1年勤め、1926年、東洋大学文学部印度哲学倫理学科に入学。1930年に卒業後、アテネ・フランセに通う友人らと同人誌『言葉』を創刊。1931年、「風博士」が牧野信一の激賞を受け、新進作家となる。戦後、「堕落論」と「白痴」で脚光を浴び、無頼派作家として太宰治らと並び称される。 純文学や警抜なエッセイのほか、「桜の森の満開の下」などの幻想小説、「不連続殺人事件」「明治開化安吾捕物」などの推理小説、「信長」「道鏡」などの歴史小説、将棋や囲碁の観戦記、日本各地の歴史探訪ルポなど、様々なジャンルを横断する活躍を見せ、1955年、脳出血で死去。

ISBN:9784904596029
出版社:烏有書林
判型:4-6
ページ数:336ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2011年12月
発売日:2011年12月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ