生活臨床と家族史研究
地域活動が世界基準に 世界基準を地域に活かす
著:伊勢田 尭
内容紹介
生活を見ずして病気は治せない
著者のスタンスは,いつも患者や家族の視点に立っていることである.患者や家族の話をよく聞き,生活をよく見る,そして,一緒に取り組んでいくのである.
「生活を見ずして病気は治せない」(江熊)・・・・・・著者は,家族の抱えている歴史の歪みを是正することで,精神障害のある人たちの生活障害は著明に改善されるのだ,と確信している.
生活臨床の視点を万国共通のビジョンに!
精神障害のある人たちの家族に対する偏見は本当に根強い.だからこそ,本腰を据えた家族支援が,今まさに必要なのだ,と著者は強く語る.
本書は,これまで著者が取り組んできた「生活臨床」と「家族史研究」の業績集である.
本書で述べられえている40年にわたる取り組みは,日本における精神科医療の鎖国的遅れを取り戻し,新たな活動を展開するために必ずや役に立つだろう.生活臨床の視点を万国共通のビジョンにしたい,著者の熱き願いである.精神科領域で活動している医療従事者には必読の1冊である.
目次
はじめに
掲載論文の解説
1.世に問う「生活臨床」
2.生活臨床の理念を原点とした実践報告
3.生活臨床の限界を乗り越え,家族支援に重点を移そうとした家族研究・家族療法
4.生活臨床の発展としての障害論
5.他流試合としての筆者の東京における臨床経験
6.医学リハビリテーションの見方と生活の見方
7.世界のリハビリテーションの動向 8.英国政策研究
掲載論文
世に問う「生活臨床」
統合失調症患者の結婚支援に関する私の原則
家族史分析による精神分裂病の家族療法
私の見立てと家族の“復権”
やどかりサロン パラダイムの転換が求められる家族支援
国際生活機能分類(ICF)と精神障害
家族史研究からみた精神分裂病者の生活障害について
受診歴のある患者
リハビリテーション医学の今日
統合失調症の再発予測と再発防止
医療観察法施行への期待
海外の動向 英国保健省「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク-5年の経過」の概要と特徴
精神保健福祉政策の創造的発展を考える
おわりに
ISBN:9784904185032
。出版社:やどかり出版
。判型:A5
。ページ数:271ページ
。定価:2300円(本体)
。発行年月日:2008年10月
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS。