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聴く人(homo audiens)

音楽の解釈をめぐって

著:近藤 譲

紙版

内容紹介

「作曲者は、音を吐くのではなく、耳を世界にそばだてて、適切な音を探す。
作曲をするためには、人は、まず、聴く人(ホモ・アウディエンス)でなければならない」(本文より)

音楽はほんらい聴き手に多様な解釈をゆるすものであり、ひとは「耳をすます」ことによって創造者となる──
「聴くこと」のもつ創造性を高らかに謳い上げる、音楽への希望に満ちた書。

2012年、アメリカ芸術・文学アカデミーの終身名誉会員に選出され、名実ともに日本を代表する作曲家となった著者の最新音楽論。

目次

I.解釈二題
 1.《第九》と記憶
 2.《四分三三秒》──自然、あるいは、廃墟
 3.解題

II.聴く人(homo audiens)──作曲行為における他者性について

III.目的性のない行為としての音楽
 1.音楽とは何か?
 2.作曲と目的性

IV.解釈の自由

V.(コーダ)


あとがき

著者略歴

著:近藤 譲
1947年東京生まれ。東京藝術大学で作曲を学び、在学中からその作品が注目を浴びた。1970年代初頭に、自ら「線の音楽」と名づけた独特の作曲方法論を提唱し、以後国際的に活躍。欧米の多くの主要機関や音楽祭から委嘱を受け、特集演奏会が組まれている。ほぼ全作品の楽譜がイギリスのUYMPから出版され、CD録音も多い。2012年、アメリカ芸術・文学アカデミーの外国人名誉会員に選ばれた。国内外多くの大学で教鞭をとり、講演をおこなっている。お茶の水女子大学名誉教授。
主な著書に『線の音楽』(朝日出版社)、『耳の思考』(青土社)、『〈音楽〉という謎』『音を投げる』(以上春秋社)など。

ISBN:9784903951768
出版社:アルテスパブリッシング
判型:4-6
ページ数:180ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2013年12月
発売日:2013年12月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AV