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「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?

人種・ジェンダー・文化資本

著:吉原真里

紙版

内容紹介

水村美苗さん(作家)推薦!
「問われるべきだったのに、問われなかった問い。それを問うのが学問のすべてである」

小澤征爾、内田光子、竹澤恭子、ヨー・ヨー・マ、チョン・キョンファ、ラン・ラン、ユンディ・リー、サラ・チャン──西洋クラシック音楽の世界でアジア人が活躍しているのはなぜか? 70人におよぶアジア系音楽家の証言をもとに、歴史・文化・民族誌の見地から、クラシック音楽ひいては芸術の本質にせまる!

目次

はじめに

1 「アジア人」とクラシック音楽
 太平洋を越える西洋音楽
 西洋音楽、東アジアに到来
 蝶々夫人・日本版
 中産階級のためのクラシック音楽、そしてアジアから西洋への「逆輸出」
 スズキ・メソードのグローバリゼーション
 結び

◆音楽家たちの声
1 デイヴィッド・キム
2 リフェン・アンソニー
3 高橋利夫
4 竹澤恭子

2 「アジア人音楽家」という「人種」
 アメリカのアジア人音楽家たちの「ルーツ」と「ルート」
 留学生
 「音楽移民」
 「移住するプロ音楽家」
 「越境子女」
 「混合」アジア人
 音楽と「差異」
 音楽と民族/国家アイデンティティ
 結び

3 クラシック音楽における性力学
 ジェンダー規範の逸脱─男性音楽家たち
 音楽界の性力学との葛藤─女性音楽家たち
 アジア人音楽家のビジュアル・マーケティング
 音楽とセクシュアリティ─ゲイの音楽家たち
 結び

4 階層としての音楽家、文化資本としてのクラシック音楽
 階層理論と職業としての音楽
 音楽家の出身階層
 クラシックのコスト
 クラシック音楽家の経済生活
 文化的生産「フィールド」と階層
 結び

◆音楽家たちの声
5 マーガレット・レン・タン
6 チョーリャン・リン
7 名倉誠人
8 ケンジ・バンチ

5 自分たちの声を求めて
 クラシック音楽の「インサイダー」と「アウトサイダー」
 自分自身の声 その一─器楽家の場合
 自分自身の声 その二─オペラ歌手の場合
 自分自身の声 その三─作曲家の場合
 結び

おわりに──クラシック音楽という「経験」

あとがき
参考文献
索引

著者略歴

著:吉原真里
1968年ニューヨーク生まれ。東京大学教養学部卒、米国ブラウン大学博士号取得。ハワイ大学アメリカ研究学部教授。専門は、アメリカ文化史、アメリカ=アジア関係史、ジェンダー研究など。著書にEmbracing the East: White Women and American Orientalism (Oxford, 2003)、『アメリカの大学院で成功する方法』(中公新書、2004)、『ドット・コム・ラヴァーズ』(中公新書、2008)、『性愛英語の基礎知識』(新潮新書、2010)、共編著に『現代アメリカのキーワード』(中公新書、2006)、『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール──市民が育む芸術イヴェント』(アルテスパブリッシング、2010)がある。

ISBN:9784903951706
出版社:アルテスパブリッシング
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2013年10月
発売日:2013年10月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVA