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ジャズの歴史物語

著:油井 正一

紙版

内容紹介

ジャズとはなにか?──この本を読めばわかります。日本最高のジャズ評論家によるジャズ史の古典的名著、ついに新装復刊! 誕生からスイング、ビ・バップ、クール、フリーまで、ジャズの歩みと本質を生き生きと描く——。
村井康司氏による解説付き——「社会の動きと連動した立体的なダイナミズムを常にジャズ史の中に見据え、ダンスや芸能といったエンターテインメントの重要性を訴え、宗教問題、アメリカの人種問題、戦争の影響などについてもきっちりと目配りを怠らず、ジャズは時代が下ると「黒く」なる、という、いっけん逆説に聞こえる真実を看破し、しかし全体の「乗り」はまったく教条的でも観念的でもなく、ディレッタントのアマチュアリズムを終生保ち続けた油井正一は、ジャズというアートの、理想的な理解者であり享受者であり啓蒙家だった。」(本書解説より) ※本書は1972年に刊行された『ジャズの歴史物語』(スイング・ジャーナル社)の新装復刊です。

目次

第1章 前期
 1 ジャズはニューオリンズではじまった
 2 ニューオリンズからシカゴへ
 3 ハーレム
 4 カンサス・シティ
前期の巨人たち
 キング・オリヴァー
 ルイ・アームストロング
 ビックス・バイダーベック
 フレッチャー・ヘンダーソン
第2章 中期
 1 スイング時代
 2 ジャズ・ジャーナリズムの抬頭
 3 音楽戦争
 4 大いなる過渡期
 5 バップへの前奏曲
 6 ビ・バップ
中期の巨人たち
 レスター・ヤング
 デューク・エリントン
 ディジー・ガレスピー
 チャーリー・パーカー
 ウディ・ハーマン
 バド・パウエル/ファッツ・ナヴァロ/クリフォード・ブラウン
第3章 後期
 1 クールの誕生
 2 レニー・トリスターノ
 3 スタン・ケントンとボイド・レーバン
 4 ウエスト・コースト・ジャズ
 5 マイルス・デヴィスを通してみる一九五〇〜六〇年代のジャズ
 6 フリー・ジャズとポスト・フリー・ジャズ
後期の巨人たち
 チャーリー・ミンガス
 ソニー・ロリンズ
 セロニアス・モンク
 セシル・テイラー
 オーネット・コールマン
 エリック・ドルフィー
 ジョン・コルトレーン
第4章 余滴
 1 ジャズ録音史
 2 Vディスク
 3 ジャズ・ファン
 4 黒人と宗教
 5 黒人問題
 6 黒人のある考え方
 7 ジャズ・ダンス
 8 ジャズとラテン音楽
 9 民族音楽としてのジャズ
あとがき
解説──「『ジャズ共和国』という国土なき国の誇り」 村井康司
参考文献
注解
人名索引

著者略歴

著:油井 正一
1918(大正7)年、神奈川県横浜市に生まれる。慶應義塾大学法学部在学中からジャズ評論を手がけるようになったが、陸軍への入営により中断。終戦により復員後、ジャズ評論家としての道を歩む。当初は雑誌『ミュージック・ライフ』、のち『スイングジャーナル』を拠点に旺盛な評論活動を展開。ラジオ関西、NHK、FM東海(東京)などの音楽番組でジャズ解説も担当する。東京芸術大学、桐朋学園大学、東海大学などで講師もつとめた。1998(平成10)年、逝去。主な著書に『生きているジャズ史』(シンコーミュージック)、『ジャズ/ベスト・コレクション』(新潮文庫)、『ジャズ名盤物語』(共同通信社)など、訳書にベーレント『ジャズ その歴史と鑑賞』(誠文堂新光社)、『奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝』(晶文社、共訳)などがある。

ISBN:9784903951201
出版社:アルテスパブリッシング
判型:A5
ページ数:352ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2009年08月
発売日:2009年08月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVL