自己メディアの社会学
著:加藤 晴明
内容紹介
「自己」の視点からメディアを見直す!
目次
まえがき
序 章 メディアとは自己を仮託する文化装置
~自己メディア論のための態度選択~
はじめに
1. 思考の出発点
メディア行為者の誕生/二世界フレーム/社会メディア
論と遊戯論/メディアと自己との結婚/ポストモダンと
リアリティの構築/メディアと救済
2. いくつかの態度選択
コミュニケーション物語からの距離化/正義の物語へ
の懐疑/一人称メディアへの着目/自分メディア/自己
メディア
第1章 情報力革命と自己メディア
~マスメディアから自己メディアへ~
1. マスメディア批判の物語
個人への情報力の開放/マスメディアを超える戦略探し
/ニューメディアに託された夢/選択幅拡大への期待:
多チャンネル化/カルチュラル・スタディーズ/市民メ
ディア論/地域メディアへの期待
2. 自己メディア論の必要性と可能性
パーソナルメディアと自己メディア/メディア事業者と
なる快感/メディアに登場する快感/表現革命と自己の
救済
第2章 メディア・近代・自己
~自己メディアの源流とその転換~
はじめに
1. 自己を造形させるメディアとリアル
近代のまなざしの誕生/メディアとしてのカメラオブス
キュラ/リアリティの誕生/古典的リアリティ観の限界
/新しいリアリティ観の誕生/写真による被フレーム化
2. 自己の被フレーム化と情報的現実論の誕生
マスメディアの力/擬似イベントとグラフィック革命/
テレビ時代とは/送り手の影響力 vs 受け手の力
3. ふたたび自己メディア論へ
メディアに登場する悦楽/噴出する欲望の源
第3章 個人メディアとしての電話
~「二世界」の源流~
1. 前史としての電信
テレコミュニケーションへの夢/オンラインから始まる
親密性/
2. 電話=遠隔魔術のはじまり
社会的想像力としての電話/魔術としての電話
3. 声としゃべりのメディアの特性
親密性と距離のパラドックス/声のリアリティ/リアリ
ティのゆらぎ/顔という牢獄からの解放
4. 電話風俗と救済願望
「電話風俗」/制度からの解放願望
5. メディアから始まる「救済」
都市型社会とリアリティ/メディア行為の3元図式
第4章 ケータイという自己メディア
5つの理論フレーム/ケータイの進化と深化/携帯する
統合メディアへ/携帯電話への統合的視点/日本人とケ
ータイ/場所からの解放とマナー問題/「選択的な接合
人間」像/2000年代の研究の展開/自閉とパブリック、
解放と拘束/問いとしての自己都合/既存縁と新縁/限
りなく解放される自己
第5章 メディア・自己・救済
1. ネット空間への理論フレーム
基本的な理論フレーム/情報縁とリアルをめぐって/
ヴァーチャル空間と「解放」/〈メディアヴァージョン
の自己〉の構築/自己の情報化/自己語りと私化現象/
自己にとって他者とは何か/自己物語論とパラドックス
/日記・自分史をめぐる理論フレーム/「いのちの電
話」の理論フレーム/「救済」と「再生」のパラダイム
2. ネット恋愛物語にみる「救済」と「再生」
メール交換による恋愛物語/映画『(ハル)』/『WITH
LOVE』/『チャット恋愛学』の洞察/ネットのなかで
の応援とまなざし
第6章 ネット言説の系譜再考
1. ネット社会の位置を考える
ネット社会への段階的展開/パソコン通信の画期性
2. ネット論と秩序問題
黎明期のおおらな言説/社会実在論争と秩序問題
3. 2つのネット言説 205
非コンテクストと匿名性/コミュニティ・関係性重視論
/ネットワーキング・イデオロギー/電子デモクラシー
への期待
4. 固有のリアリティ論とリアルコミュニティ論
「別」世界としてのネット/より日常に近いつながり
5. つながりと集合行動の時代
コミュニティからSNSへ/アーキテクチャ論/フラッ
シュモブ論
6. まとめ
終 章 自己の解放と救済としてのインターネット
ネットへの欲望/ネット論は「解放の物語」だった/
自己の内的拡張と身体的自己からの解放/「自己の再生
と救済」
あとがき
オリジナル用語集
ISBN:9784903724348
。出版社:リベルタ出版
。判型:A5
。ページ数:256ページ
。定価:2600円(本体)
。発行年月日:2012年09月
。発売日:2012年09月26日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB。