自他認識の思想史
日本ナショナリズムの生成と東アジア
著:桂島 宣弘
紙版
内容紹介
徳川日本において、どのように自己像が生起し、近世帝国的普遍性を切り裂くのか。また国境認識はどのようにして現れ、他者認識を生み出していくのか。グローバリゼーション下でむしろ高まりつつあるナショナリズムの源流を、東アジアへ視線を向けるなかから探り出し、近代の学術がそれをいかにして制度化していったのかを解明する。
目次
はじめに
第一章 一八世紀の自他認識
――宣長の「外部」――
第二章 華夷思想の解体と自他認識の変容
――一八世紀末期~一九世紀初頭期を中心に
第三章一国思想史学の臨界点
――帝国日本の形成と日本思想史の「発見」
第四章国学への眼差しと伝統の「創造」
――「想像の共同体」と国学運動
第五章東アジアの近代と「翻訳」
――近世帝国の解体と学術知
第六章 現代日本のナショナリズムと「教科書問題」
付 論 東アジア人文学の可能性を求めて
あとがき