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学問の英知に学ぶ 第六巻

編:ロゴスドン編集部

紙版

内容紹介

真理を追究し、学問の発展のために尽力されてこられた大学教授や名誉教授が、各専門の分野から現代社会の病弊に対する処方箋を提供。日本最高峰の学識が易しい表現で談話調に語られる、学問の英知に満ちた珠玉のインタビュー集の第六巻。
六十三章 脳と心の遺伝哲学(生命科学者・石浦章一インタビュー)
六十四章 頭頂葉からの知覚哲学(神経生理学者・酒田英夫インタビュー)
六十五章 幸福への人生哲学(哲学者・鷲田小彌太インタビュー)
六十六章 現代世界の人間哲学(哲学者・田畑稔インタビュー)
六十七章 意味作用の情報哲学(情報学者・西垣通インタビュー)
六十八章 自我のコミュニケーション哲学(社会学者・船津衛インタビュー)
六十九章 知力向上の学問論(認知科学者・安西祐一郎インタビュー)

目次

六十三章 脳と心の遺伝哲学(生命科学者・石浦章一インタビュー)

遺伝子のオン・オフを上手にする、ポストゲノム。
喜びの実験は難しい。
遺伝子が分かると、人間のタイプが分かる。
自閉症はキャラクターであり、特別な能力を持っている。
遺伝子診断で、ボケない生活方法が明らかに!
遺伝的な能力をはっきりさせて教育すべきである。
神を信じると、純粋な科学的思考ができない。
精神とは、遺伝子素質が六割で、経験学習が四割である。
人を殺すのはなぜ悪いのか、ということも脳が規定している。

六十四章 頭頂葉からの知覚哲学(神経生理学者・酒田英夫インタビュー)
エピソード記憶と意味記憶。
知覚研究の反面教師になった、構成主義の考え方。

複雑な知覚を基にした運動の制御をする頭頂葉。
右で構造を認識し、左で動作のコントロール。
三次元図形と頭頂葉。
頭頂葉とナビゲーション。

六十五章 幸福への人生哲学(哲学者・鷲田小彌太インタビュー)
哲学は、人生知と学問の根本に関わる。
言葉で表現された欲望を人間は実現してしまう。
我々が生きている場面で使える思考法。
ヘーゲルは森羅万象を書き、しかも明解である。
ヘーゲルの哲学は、成功者の哲学である。
基本的人権の根拠にあるのは、私有財産と命である。
仕事のストレスを通過しないと、力は身に付かない。
人生という締切りがあるから頑張ることができる。

六十六章 現代世界の人間哲学(哲学者・田畑稔インタビュー)
哲学の現実形態にこだわる。
マルクスは古くなったのか?
マルクスと哲学。
マルクスの意味論、唯物論、国家論。
アソシエーション革命。
日常生活世界の哲学。
人間科学の新展開。
人類史再考。

六十七章 意味作用の情報哲学(情報学者・西垣通インタビュー)
情報とは本来、生命的な存在である。
第一人称的なところから迫ると、フレーム問題は解消する。
生命体は、オートポイエティック・システムである。
動物は経験的に、自分の中に意味構造をつくっていく。
一神教が普遍論理を生み、コンピュータが出来た。
ネットを通じた身体性と人格の乖離が起きつつある。
生命的な活力を抑圧しないタイプ3コンピュータへ!

六十八章 自我のコミュニケーション哲学(社会学者・船津衛インタビュー)
自我との関係でコミュニケーションを考える。
自己目的的コミュニケーションへ。
内的世界を創造する人間のコミュニケーション。
自我は他者との関係で社会的に出来上がっている。
既存の役割の枠を超えて新しい人間形成を展開する。
人々の感情疎外という事態が起こっている。
人間同士のほっとするようなコミュニケーションへ!

六十九章 知力向上の学問論(認知科学者・安西祐一郎インタビュー)
情報という考え方をベースにした一つの「人間像」をつくる。
問題解決者としての人間の四つの特徴。
「意味敏感性」と「知識の構造化可能性」という人間の性質。
学問にとって決定的に大切なのは方法論である。
未来の先導者を育成していく慶應義塾の使命。
学問というのは、自ら沸き上がってやるものである。

著者略歴

編:ロゴスドン編集部
哲学が諸学問の総称であることを前提に、過去・現在の様々な哲学を参考にしながら混迷の時代を賢明に生き抜くための雑誌『ロゴスドン』の編集部。

ISBN:9784902462272
出版社:ヌース出版
判型:A5
ページ数:270ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2022年02月
発売日:2022年02月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VS