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橋本真之論集成 工芸批評の時代

編著:渋谷 拓
編著:藤井 匡
他著:金子 賢治

紙版

内容紹介

橋本真之という稀有な造形家の作品と言葉は、 「工芸」 あるいは 「美術」 というカテゴリーを拡大する、 あるいは解消することを目論む書き手たちにとって、 理論上、 極めて重要な参照点であり続けてきた。本書は、一九八〇年代以降の芸術批評における重要なテーマのひとつ、 すなわち 「工芸」 と 「美術」 のカテゴリーを巡る一種の理論的闘争の生き生きとしたドキュメントになっている。 ( 「はしがき」 より一部抜粋 )

目次

まえがき

第一章 「工芸的造形」とは何か
 金子賢治×橋本真之 「工芸的造形」から/への道 
 青木 宏 拡大する鍛金――三井安蘇夫とその後継者たち
 奥野憲一 日本の造形論の本質と言語の認識について
 金子賢治 工芸的造形の胚胎と展開
 冨田康子 工芸オブジェ以後
 石﨑泰之 「当て盤絞り」
      ――橋本真之「揺らぐ日々の中に」鑑賞のために
 唐澤昌宏 「素材+技術+プロセス」が生み出すもの
      ――「工芸的造形」の実践  
 金子賢治 工芸、そして工芸ならざるもの

第二章 生成の原理を求めて
 笹山 央 「自ら然るもの」と成るために
 寺門寿明 橋本真之
 寺田 侑 器官としての運動膜
 北澤憲昭 橋本真之
 奥野憲一 橋本真之の奇果
 藤井 匡 橋本真之〝おわりなきもの〟の意味
 梅津 元 〈方法としての言語〉による〈思考の発露〉
 稲賀繁美 異物を抱えた真珠貝の分泌に造形の理路を探る 
 渋谷 拓 《果実の中の木もれ陽》の未来のすがたを夢想するために 
 藤井 匡 橋本真之と貝殻

第三章 「美術」と「工芸」の彼岸へ
 松永 康 ニュー・ヴィジョン・サイタマ
      ――手わざと現代 序文
 北澤憲昭 金属とガラスの造形展
 藤嶋俊會 橋本真之論序説―無限増殖運動の彼方にあるもの
 中村英樹 独り立ちの皮膜たち
 北澤憲昭 未成のジャンル
 藤嶋俊會 再び橋本真之について
      ――「方法の発露二〇一四―ジャンルの根拠―」を見る 
 藤嶋俊會 再々考・橋本真之論
 渋谷 拓 橋本真之作品の展示について
      ――「方法の発露二〇一九」に寄せて

あとがき

著者略歴

編著:渋谷 拓
渋谷拓(シブヤ・タク) 一九七二年生。埼玉県立近代美術館主任学芸員などを経て、現在、金沢美術工芸大学准教授。専門は博物館学、近現代美術。
編著:藤井 匡
藤井匡(フジイ・タダス) 一九七〇年生。宇部市学芸員(現代日本彫刻展等を担当)などを経て、現在、東京造形大学教授。専門は美術批評、彫刻史。
他著:金子 賢治
金子賢治(カネコ・ケンジ) 一九四九年生。サントリー美術館学芸員、東京国立近代美術館工芸課長を経て、現在、茨城県陶芸美術館館長、茨城県立笠間陶芸大学校長、とうしん美濃陶芸美術館長。専門は工芸史、工芸理論。

ISBN:9784902078763
出版社:美学出版
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:AGA