民主主義と宗教
著:マルセル, ゴーシェ
訳:伊達 聖伸
訳:藤田 尚志
紙版
内容紹介
なぜ、宗教からの脱出と進展とともに民主主義は危機に陥ったのか。フランス独自の政教分離「ライシテ」における政治と宗教の関係を歴史的に考察し、未来への道を示唆する。左右の対立を超えて第三の潮流を形成する、現代フランスを代表する哲学者のエッセンス。
目次
訳者解説Ⅰ・ライシテとは何か
序 ひとつの深い断絶
第一章 宗教的なるものの変遷
「宗教からの脱出」とは
非宗教化と世俗化
代替宗教の破綻
共産主義信仰の死
歴史の脱宗教化と民主主義の危機
芸術としての宗教の終焉
問い直されるライシテ
第二章 ライシテの歴史
絶対主義と宗教の従属
共和主義と教会の分離
自立の政治の輝き
ルヌーヴィエの洞察
ルソーの定式化の持続力
民主主義と全体主義
第三章 ニュートラルな民主主義
民主主義の地殻変動
自由主義の波
公私関係の再編
第四章 戴冠せる市民社会
変わりゆく国家・社会・個人
私的な権利の公的な使用
市場原理社会
第五章 アイデンティティの時代
新たなアイデンティティ像
寛容から多元主義へ
承認のポリティクス
第六章 信じることの革命
民主主義に取り込まれた宗教
宗教的意識のコペルニクス的転回
第七章 現代民主主義の限界
代理表象の変化
国家と社会の優劣なき差異
手続き民主主義の意味
新たな喪失に向かって
原注
訳注
訳者解説Ⅱ・フランス現代思想におけるゴーシェの位置