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河合隼雄 心理療法家の誕生

著:大塚 信一

紙版

内容紹介

この見事な半生をアレンジしたものは誰か?
生まれ育った丹波篠山から、アメリカ・UCLA、さらにはチューリッヒ・ユング研究所へ。日本人初のユング派資格を持つ分析家が誕生するまでを、ともに物語をつむいだ編集者が活きいきと描く。

目次

序章 物語のはじまり
1 ある新書の依頼
2 的中した戦略

第一章 丹波篠山に生まれて
1 両親の人となりと弟の死
2 篠山、少年たちの宇宙
3 中学時代の本との出会い
4 陸軍士官学校を断り神戸工専へ
5 京大数学科のころ
6 ロマン主義、フロイト、漱石
7 高校教師志望と元祖「河合塾」

第二章 心理学者への道
1 立身出世主義でなく
2 教師兼大学院生
3 ロールシャッハ・テストから臨床心理学へ
4 ロジャーズのカウンセリング
5 アメリカ留学の決心
6 「ロールシャッハの鬼」
7 演劇と音楽を楽しむ

第三章 アメリカの体験
1 英語の特訓
2 クロッパーの背後にユングがいる
3 分析料は一ドル
4 奇跡的な道筋
5 リサーチ・アシスタントとして
6 現象学的方法
7 シンクロニシティの考え方
8 カルチャー・ショック
9 異文化理解の重要性

第四章 ユング研究所の日々
1 家一軒分の旅費
2 スイスの田舎暮らし
3 マイヤー先生の言葉
4 フォン・フランツの昔話の講義
5 精神分析の風土
6 ヴァン・デル・ポストの小説
7 スーパーバイザーにつく
8 知識の伝授ではない
9 さまざまなクライアント
10 ニジンスキー夫人に日本語を教える
11 ディールスドルフ村の「ペンション河合」
12 大きな影響を受けた本

第五章 西欧と日本—神話研究に向けて
1 日本神話を英語で書く
2 アマテラスの誕生とスサノヲの追放
3 世界の始まりとイザナギの魔術的逃走
4 スサノヲの冒険
5 「太陽の女神」の比較神話学
6 トライアッドの構造と「太陽と月」
7 男性と女性
8 女性性の探求
9 対決と妥協
10 四十年の熟成

終 章 新たな物語のはじまり
1 箱庭療法の紹介
2 口頭試問の波瀾
3 生き方のレベルの体験
4 心理療法の核心
5 約束を実行する

あとがき

人名索引

著者略歴

著:大塚 信一
1939年、東京に生まれる。63年、国際基督教大学卒業。同年、株式会社岩波書店入社。雑誌『思想』編集部をスタートに、岩波新書(青版・黄版)、「岩波現代選書」「叢書・文化の現在」「新講座・哲学」「河合隼雄著作集」など数々のシリーズ・講座・著作集を世に送る。また84年、編集長として季刊誌『へるめす』(編集同人:磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、中村雄二郎、山口昌男)を創刊、学問・芸術・社会にわたる知の組み換えと創造を図る。97年〜2003年、代表取締役社長。現在、つくば伝統民家研究会(古民家再生コンサルティング、古材等販売)代表、社会福祉法人日本点字図書館理事、東アジア出版人会議理事。著書に『理想の出版を求めて‐一編集者の回想1963-2003』『山口昌男の手紙−文化人類学者と編集者の四十年』『哲学者・中村雄二郎の仕事−<道化的モラリスト>の生き方と冒険 』(いずれもトランスビュー)がある。

ISBN:9784901510752
出版社:トランスビュー
判型:4-6
ページ数:349ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2009年06月
発売日:2009年06月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB