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父が子に語る日本史

著:小島 毅

紙版

内容紹介

 中国大陸や朝鮮半島、沖縄、北海道など周縁地域とのかかわりの中で記述された、歴史の見方は一つでない事に気づかせるユーモア溢れる歴史読本。
 国家形成のためにつくられた一国史的視点を超える歴史認識へのいざない。

目次

スペード 剣の章
A なぜこの本を書くのか
2 全体像を示したい
3 「日本史」をどこから見るか
4 アテルイは「反乱者」か
5 「美しい国」平泉と「いい国」鎌倉
6 明治維新を導いた『日本外史』
7 外国のことならよく知っている
8 遣隋使は対等外交か
9 「新興貴族」としての平氏
10 尊王思想と徳川幕府の関係
J 攘夷運動のゆくえ
Q 南北朝の語られ方
K 忠君愛国と民主主義教育

ハート 心の章
A 紀元節神話とは
2 宗教が語る日本古代史
3 『古事記』も漢字で書かれている
4 本居宣長の言い分
5 史料の見方
6 聖徳太子の出自

7 論争の的としての「聖徳太子」
8 太子伝説擁護論への疑問
9 神功皇后と卑弥呼の合体
10 『論語』と『千字文』
J 消えた王仁博士
Q 蘇我氏の祖先のこと
K 倭国から日本国へ

ダイヤ 宝の章
A 改新の詔はいつ作られたか
2 官人の誕生
3 天智即位の年
4 内乱と女帝
5 円仁の大旅行記
6 太陰太陽暦の話
7 「梅の都」から「花は桜」へ
8 「国風」の意味
9 桜花のイメージ
10 無常ということ
J 平安時代最強の怨霊
Q 『今昔物語集』の世界観
K 仁義道徳は人を食らう

クローバー 鋤の章
A 中世人のたくましさ
2 めまぐるしい十二世紀
3 鎌倉新仏教の時代背景 
4 「そうだ 京都、行こう。」の京都とは
5 寧波プロジェクト(にんぷろ)の目指すもの
6 南北朝から室町へというリトマス試験紙
7 日本史を二分する応仁の乱 
8 戦国大名の軍師養成学校
9 「転勤」という支配方法
10 勢力としての仏教寺院と天皇
J 新たな対外関係と「この国のかたち」
Q 鎖国時代の中国のイメージ
K 今も人を食らう仁義道徳

著者略歴

著:小島 毅
1962年生まれ。東京大学卒。専門は中国思想史。現在、東京大学准教授。「日中歴史共同研究」委員、日本学術会議連携会員を務める。専攻分野での著書は『中国思想と宗教の奔流』(「中国の歴史07」講談社)、『朱子学と陽明学』(放送大学教材)など。このほか、一般読者向けの『義経の東アジア』(勉誠出版)は躍動する日本中世像を巨大なスケールで描き出し、その破壊的なギャグと共に衝撃を与えた。以後も、『近代日本の陽明学』(講談社)、『靖国史観』(ちくま新書)、『足利義満』(光文社新書)と、問題作・話題作を次々に発表している。

ISBN:9784901510660
出版社:トランスビュー
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2008年10月
発売日:2008年10月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ