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寺子屋新書 01

教育改革と新自由主義

著:斎藤 貴男

紙版

内容紹介

「できん者はできんままでけっこう」、ゆとり教育の下敷きとなった答申を出した教育課程審議会元会長の三浦朱門氏のこの言葉通りに進められている教育改革。そのなかで、戦後、守られてきた教育の機会均等が奪われ、「選択の自由」「自己責任」という言葉のもと、子どもたちは家庭の経済状況によって「勉強ができるようになる」ための努力さえ、認められなくなろうとしている。経済を専門とするジャーナリストが、「学力」を切り口に日本の階層化、不平等の現実を鋭く追及し、子どもと教育の未来を守る方法を語る。

目次

第1章 教育改革がめざすもの……ゆとり教育VS学力重視の裏側で/経済界の要求と教育改革の流れ/新自由主義に則った改革とは
第2章 差別の目と管理の網……知らないうちに管理社会の時代に/自己規制に追いこまれる教師たち/子どもの心にまで押し入る管理/露骨化する差別/国がめざす人間像・社会像とは
第3章 機会均等を守る……階級化社会をめざす政財界/スタートラインを同じにすること/学校で身につけるべき学力とは
第4章 子どもの未来のために……公教育に企業の論理が入ってくる/わが子を守るために親は……/信頼感と連帯感を取り戻す/民主主義を守る
ルポ  「報国」の暴風が吹き荒れる

著者略歴

著:斎藤 貴男
ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。日本工業新聞記者、プレジデント編集部、週刊文春記者などを経て独立。『カルト資本主義』『機会不平等』(文春文庫)『プライバシー・クライシス』(文春新書)『バブルの復讐〜精神の瓦礫』(講談社文庫)『梶原一騎伝』(新潮文庫)『小泉改革と監視社会』『空疎な小皇帝──「石原慎太郎」という問題』(岩波書店)『日本人を騙す39の言葉』(青春出版社)『サラリーマン税制に異議あり!』(NTT出版)『経済小説が面白い。』(日経BP社)『ワクチンの作られ方・打たれ方』(ジャパンマシニスト社)『いったい、この国はどうなってしまったのか!』(魚住昭との共著、NHK出版)『「非国民」のすすめ』(筑摩書房)など多数

ISBN:9784901330411
出版社:子どもの未来社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2004年06月
発売日:2004年05月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN