PARADISE TEMPLE
著:管啓次郎
紙版
内容紹介
「何に守られているのか?(文字に)/何にさらされているのか?(未知に)」。終わりのない歩行と彷徨をめぐって詩が刻まれる。旅行批判の書『斜線の旅』(インスクリプト)で読売文学賞を受賞(2011年)した作者の第8詩集は、強いられた停滞の日々に出口を探し、くりかえし新年を寿ぐ希望の書。「世界は影のない踊り場/悲しみもなく道もなく/思考が冷たい水のように光っている」。エドゥアール・グリッサンの惑星的詩学とゲイリー・スナイダーの野生の詩学、そして西脇順三郎の諧謔の詩学の合流。およそ類例のない世界が、平易な言語で展開する。「琥珀色の蜜の中を渡り鳥の群れが泳いでいる/シベリア鉄道追いかけてアラスカ鉄道追い抜いて」。海外研究者からも注目を集める詩人の新たな展開。
目次
目次
砂浜図書館
『地形と気象』13片
モロッコ
西瓜の日々(My Watermelon Days)
Mac Air & Water
まぶた裏読み
かぶとむし
未来を踊ろう
ラハティ、みずうみ
Das Kapital
「見えない波」から
ボロート、ポーレ(沼、野)
出口の町
新年
Sun Dog
文学とは何か
Tosh, Tosh, Mary One
始祖鳥とともに
PARADISE TEMPLE