出版社を探す

嘘つきジュネ

著:タハール・ベン・ジェルーン

紙版

目次

不意にかかってきたジュネからの電話。1974年5月5日午前、フェズに生まれたモロッコの新進作家、タハール・ベン・ジェルーンはジュネに呼びだされ、以降最晩年のジュネと、無比の関係を続けることになる。フランス人の人種主義、フランスの植民地主義を徹底して告発し、パレスチナに寄り添うジュネ。サルトル、フーコー、バルト、デリダ、ジャコメッティ、アブデルケビル・ハティビ、ゴイティソーロ、ボウルズ、……アブドッラー、ジャッキー、ムハンマド・エル・カタラーニー、そしてライラ・シャヒード。幾多の人物像を点綴しながら描かれる、ジュネ最晩年の時間。

本書は、『恋する虜』を書き継ぐジュネの最晩年を間近にまた距離を置いて併走した、ゴンクール賞作家・ゴンクール賞選考委員TBJによる、味わい深い回想録であり、エドマンド・ホワイト『ジュネ伝』を補完する貴重な証言を含むドキュメントであり、憤り、挑発し、消沈し、沈黙するジュネの声、「白く光り輝く」ジュネの声が全篇から立ちのぼる、出色の文学作品である。1979年11月11日付『ル・モンド』掲載のジュネとベン・ジェルーンの対話の既出削除版(『公然たる敵』所収)の完全版初収録。

著者略歴

著:タハール・ベン・ジェルーン
Tahar Ben Jelloun(タハール・ベン・ジェルーン)
1944年モロッコ,フェズに生まれる.詩人,小説家.1973年小説第一作Harroudaを刊行.1987年La Nuit sacrée(『聖なる夜』)でゴンクール賞.2008年よりAcadémie Goncourtの会員としてゴンクール賞の選考にも携わっている.
主な作品に,『気狂いモハ、賢人モハ』澤田直訳,現代企画室,『不在者の祈り』文学の冒険,石川清子訳,国書刊行会,『歓迎されない人々─フランスのアラブ人』高橋治男・相磯佳正訳,晶文社,『砂の子ども』,『聖なる夜』いずれも菊地有子訳,紀伊國屋書),『娘に語る人種差別』松葉祥一訳,青土社,『火によって』岡真理訳,以文社ほか.

ISBN:9784900997691
出版社:インスクリプト
判型:4-6
ページ数:286ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2018年01月
発売日:2018年01月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB