もう一人の昭和維新 歌人将軍・斎藤瀏の二・二六
著:伊藤 悠可
紙版
内容紹介
雪が降りしきる昭和11年2月26日――「昭和維新・尊皇斬奸」を旗印に憂国の青年将校たちが蹶起した二・二六事件。
その事件において、「終始一貫青年将校の味方であり、節を変へなかつたただ一人
の人物」こそが齋藤瀏であった。
純粋な青年将校が集まってきたのは、思想でもない、国防理論でもない、さらに言えば愛国精神の温度でもない。ひとえに齋藤瀏の人間のもつ空気ではないだろうか。
逆賊と呼ぶもよし――歌人将軍・斎藤瀏の、もう一つの昭和維新史を辿る。
目次
序章 思へば老齢七十余、焦慮幾度か―2・26事件と斎藤瀏
第一章 宏遠なる志操
第二章 指揮官へのきざはし
第三章 日本の晩鐘が聞こえる
第四章 事件前夜へ
第五章 齋藤瀏と青年将校
第六章 運命の四日間
第七章 獄中の歌
第八章 齋藤瀏の人間觀察
第九章 歌人・齋藤瀏
第十章 短歌鑑賞の技術
第十一章 齋藤史のかがやき
第十二章 敬神尊皇とルサンチマン
最終章 瀏と史の晩年
齋藤瀏略年譜
あとがき
参考文献一覧