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新人・文系管理者のための 安全衛生管理基礎のキソ

著:村木 宏吉

紙版

内容紹介

理系コトバをできるだけ使わずに解説しました。
本書は、文系出身で30年余り労働基準監督官として厚生労働省に勤務した筆者が、その実務経験と合わせ自身が理解、経験し研鑚してきた安全衛生の知識について、理科系の用語を極力使わずに基礎のキソを解説しています。
文系出身なので理系言葉は苦手という新人の方、安全衛生部門に配置された文系の管理者だけでなく、弁護士や社労士など士業の方々にも参考となるものです。初歩の安全衛生用語(12個)の解説付き。

目次

第1章 安全衛生管理とは ~知っている経営者と、知らない経営者とでは大違い~
 1 はじめに
 2 「安全衛生」とは
 3 安全衛生管理とは
 4 労働災害はたいした問題ではないのか
第2章 なぜ安全衛生管理が必要か ~安全配慮義務違反と決算時の特別損失について~
 1 安全衛生管理を進めても利益にならない?
 2 労働災害と損害賠償訴訟
 3 安全配慮義務とは
 4 挙証責任と時効
 5 労災保険と損害賠償
 6 特別損失について
 7 処罰と労災保険における費用徴収等
 8 労働災害のお値段
 9 経営者の責任
 10 経営者の誤解
第3章 まずは経営者の姿勢から ~労働災害防止に取り組む姿勢を明らかにする~
 1 トップの意思表明
 2 信頼と任せるということ
 3 任せっぱなしはだめ
 4 目標を設定し、実行するための計画を立てる
 5 法令違反は病気の症状である
第4章 気をつける必要のない作業は安全である ~本質安全化とは~
 1 普通の経営者はこう考えがちです
 2 富国強兵策と労働災害
 3 パート・アルバイト主体の事業
 4 判断は間違えるから作業手順書が有効
 5 法令はどのように改正されるか
第5章 そのとおり実行するだけでよい作業ならば誰でもできる ~作業標準(作業手順書)とは仕事のマニュアル化である~
 1 作業標準の作成
 2 危険・有害箇所の洗い出し
 3 作業手順書の確定
 4 作業手順書の見直し
 5 作業手順書のポイント
第6章 事業の必須三要素を点検する ~人=健康診断、場所=作業環境測定、機械等=定期自主検査~
 1 事業の三要素
 2 採用面接に健康診断書の提出を求める経営者
 3 健康診断
 4 作業環境測定
 5 定期自主検査
 6 予算配賦をしているか
 7 実施結果のチェックをしているか
第7章 安全衛生委員会 ~自主的管理活動はなぜ必要か~
 1 安全衛生委員会の設置と運営
 2 法令違反とそうでない事案
 3 安全衛生委員会の取組
 4 開催のための準備(日程調整、資料作成等)
 5 進行手順(あいさつ、報告、審議事項等について)
 6 議事録の作成(議事録のモデル等)
 7 フォローアップ、評価
 8 マンネリを防ぐための注意事項
 9 安全衛生委員会を意義あるものに
第8章 有資格者の配置 ~なぜ、無資格者はダメなのか?資格者はいるだけでよいのか?~
 1 資格者が必要
 2 資格者と無資格者の違い
 3 資格者は何人いればよいのか
 4 資格者は何ををするのか
 5 資格者の補充を考えているか
 6 資格取得の費用負担
第9章 教わらなければ誰も仕事の危険性や有害なことがわからない ~安全衛生教育の重要性~
 1 経営者にこそ教育が必要
 2 トンネルじん肺訴訟のこと
 3 雇入れ時の教育
 4 配置替え時の教育
 5 職長教育
 6 特別教育
第10章 労働災害防止対策には優先順位がある ~なぜ、リスクアセスメントが必要か?~
 1 労働災害防止対策の限度
 2 リスクアセスメントは原発再稼働の事前審査と同じ
 3 資金には限りがある
 4 対策の優先順位をどうつけるか
 5 共通認識の持ち方
第11章 対策の具体例 ~労働安全衛生法の基礎~
 1 製造許可(安衛法第37条)
 2 構造規格の具備(安衛法第42条)
 3 譲渡等の制限等(安衛法第43条)
 4 機械等に関する一般的な防護措置
第12章 初歩の安全衛生用語 ~用語を理解し法令順守を~
 1 安全係数
 2 D/d(ディーバイディー)
 3 ワイヤロープ
 4 定格出力(モーターのパワー)
 5 機械の本質安全化(フェールセーフとフールプルーフ)
 6 エレベーターと簡易リフト
 7 感電防止用漏電しゃ断装置とアース
 8 感電災害が発生したら
 9 振動障害の予防対策
 10 安全衛生統計
 11 健康診断関係
 12 作業環境測定
第13章 本当に「安全第一」か? ~大災害発生時の原因を探る~
 1 「安全第一」は誰のため?
 2 納期を急ぐ
第14章 労働災害発生時の対応 ~起きてから怒っても仕方がない~
 1 労働災害が発生したら
第15章 終わりに ~労働基準監督署をどう活用するか~
 1 立入調査は企業にとって邪魔なものか
 2 労働基準監督署の基本は行政指導
 3 違反指摘の意味
 4 労働基準監督署の活用

著者略歴

著:村木 宏吉
1977年(昭和52年)、労働省(当時)に労働基準監督官として採用され、北海道、東京、神奈川の各労働局における局・労働基準監督署で勤務した後、2009年(平成21年)に退官し、町田安全衛生リサーチを設立。労働衛生コンサルタント。元労働基準監督署長。労働基準法、労働安全衛生法及び労災保険等等の著書多数。過去に民間会社での勤務経験あり。

ISBN:9784897615776
出版社:労働新聞社
判型:A5
ページ数:172ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2015年10月
発売日:2015年10月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF