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漢詩名作集成 中華編

著:宇野 直人

紙版

内容紹介

中国の漢詩の流れにそって、 『詩経』 から近代の魯迅に至るまでの名作・佳篇を選出し、 流麗な訳、 丁寧な語釈・解説を施す。 漢詩愛好家の座右の書となることは勿論、 一般読者が漢詩を鑑賞する上での絶好の入門書。
『漢詩名作集成〈日本編〉』 の姉妹編。

目次

例   言

第一章 『詩経』 から魏まで
 一 古代の歌謡 (その一) 『詩経』
プロローグ
 堯帝と 「撃壌の歌」
 舜帝と 「南風」 の詩
 伯夷・叔斉と 「采薇の歌」
 中国最古の歌謡集 『詩経』
 情愛の歌
 諷刺の歌・時事の歌
 物語の歌
二 古代の歌謡 (その二)   『楚辞』
 『楚辞』 の成立
 屈原
 嘆きの女神
三 楚調の歌
 〈楚調の歌〉の流行
 項羽と 「垓下の歌」
 劉邦と 「大風の歌」
 武帝の積極政策
 かけ落ちの行くえ
 前漢の女性たち
四 五言詩の前ぶれ
 貧困と愛の末
 悪代官に肘鉄を
 或る夫婦の相聞歌
五 五言詩の成長
 生き別れ
 あきらめと無常観
 妻の悲しみ
 傷心の豪傑

第二章 魏晋南北朝・隋
六 五言詩の個性化吁う 
 漂泊の魂
 主題と変奏
 建安詩壇の人々
 凍てつける孤独
七 西晋の詩人たち
 薬と琴と反骨と
 季節の折りふしに
 悲運の文人宰相
 忘れじの妻
八 西晋から東晋へ
 寒士の一分
 私の娘たち
 苦悩の中で
九 怒れる君子
 自分を語る
 田園に帰る
 農事にいそしむ
 封印された 「猛志」
十 達観を目指して  
 家族や村人たちと
 折りに触れて
十一 元嘉期の詩人たち 
 風雲児の葛藤
 夕映えの中に
 重鎮の素顔
 唐代歌行詩の先駆け
十二 変革のきざし 
 宮廷文学の粋
 孤客の悲願
 南朝の民歌
 男装の少女戦士
 北の呼び声

第三章 唐代前期
十三 初  唐 
 元勲のこころ
 創業期の人々
 初唐の四傑
 花吹雪の中に
 物にことよせて
 武后期の宮廷詩人たち
十四 初唐から盛唐へ
 新たなる胎動
 風流と達観の人
十五 盛時到来
 盛唐の先がけ
 不遇の名士
 涙とため息のかなたに
 近体珠玉選
十六 辺塞詩の名手たち
 ますらおの祭典
 気骨と慷慨の人
 西域の夢と幻影
 西域勤務の日々から
十七 修行の軌跡  
 多感の宮廷詩人
 女人さまざま
 半官半隠の日々
 仏道のもとに

第四章 李白
十八 奔騰する詩想、多彩な作風 詩仙李白
 李白の生涯
 故郷にて
 長江を下る
 朝廷に仕える
 孤独
 失意の漫遊時代
 流罪、 赦免、 そして晩年
 傑作選 (一) 女心の光と影
 傑作選 (二) 酒に願いを

第五章 杜甫
十九 緻密さと幻想味、 意外な剽軽さ 詩聖杜甫
 杜甫の生涯
 青春遍歴
 長安の日々
 破局の予感
 帝都震憾
 波乱はつづく
 仕官の感慨
 奉州から同谷へ
 成都の日々
 流浪の果て

第六章 唐代後期
二十 模索のとき
 余震の中で
 大暦の十才子
 内省と逡巡の人
二十一 唐詩中興 (一)
 信念と硬骨の人
 郊寒島痩
 憤悶の果てに
二十二 ふみは文集 
 世直しの抱負と 達観への努力
 弱者へのまなざし
 今 ひとたびの
 琵琶のしらべに
 知足安分
 元白の交わり
二十三 唐詩中興 (二)
 新たな歌声
 新楽府運動の周辺
二十四 夕陽 無限に好し
 夢の名残り
 終末の予感
 王朝への挽歌

第七章 宋代前期
二十五 新たな時代へ虞ぐ    
 簾外 雨 潺潺
 孤高の先覚者
 爛熟の芳香
 さまざまの思い
二十六 宋風確立   
 多情の報酬
 古都の今昔
 詩癖の人
 燃ゆる雄志
 寂しき指導者
二十七 北宋中期 
 学人の詩情
 改革者の横顔
 才気煥発の人
 心のしらべ
二十八 北宋後期
 蘇門の詩人たち (一)
 蘇門の詩人たち (二)
 風塵の中で
二十九 王朝南遷   
 顕官の威風
 小さき者へ
 悲願を胸に
三十 はるかな道を 
 熟誠の人
 郷里の日々
 安らぎを求めて

第八章 宋代後期から近代まで
三十一 民族鼎立
 永嘉の四霊と江湖派
 状元宰相
 祖国のために
 伝統へのまなざし (一)
三十二 元から明へ 
 伝統へのまなざし (二)
 目くるめく幻想
三十三 明代前期
 不安に耐えて
 暗雲の中で
 きらめく才腕
 王朝の礎
 擬古派の活躍
三十四 明代後期
 江南のほまれ
 個性派の先駆
 個性の探究
 廃滅の美学
三十五 集大成のとき
 二朝のはざまで
 遺臣の気骨
 理念と実践と (一)
 理念と実践と (二)
 不羈の魂
 優しき歌
三十六 近代への路程
 迫りくる魔手
 詩界革命
 黎明はるかなり

  年  譜
  参考文献
  あとがき

著者略歴

著:宇野 直人
 昭和二十九年 (一九五四) 生まれ。 早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。 博士 (文学)。 現在は共立女子大学国際学部教授、 中国古典学会専門委員、 全日本漢詩連盟理事、 日本漢詩文学会代表委員。 主な著作に 『中国古典詩歌の手法と言語   柳永を中心として』 (研文出版、 一九九一)、 『柳永論稿   詞的源流与創新』 (張海鴎・羊昭紅訳、 上海古籍出版社、 一九九八)、 『漢詩の歴史』 (東方書店、 二〇〇五)、 『日本の漢詩』 全三冊 (NHK出版、 二〇一一~二)、 『漢詩に見る日本人の心』 (NHK出版、 二〇一五) などがある。 共著に 『李白   巨大なる野放図』 (江原正士氏との共著、 平凡社、 二〇〇九)、 『杜甫   偉大なる憂欝』 (江原正士氏との共著、 平凡社、 二〇〇九)、、 『朱子絶句全訳注』 (全十一冊、 既刊五冊、 汲古書院、 一九九一~) など。注解に 『中国古典文学』 (アンドレ・レヴィ著、 中野茂訳、 宇野直人注解、 明德出版社、 二〇一四) など。

ISBN:9784896199567
出版社:明徳出版社
判型:A5
ページ数:1120ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2016年06月
発売日:2016年06月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC