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中東を動かす帰属意識

近くの隣人より、遠くの血縁

著:林 幹雄
解説:塩尻 和子

紙版

内容紹介

動き出す中東、世界を変える波に乗り遅れるな!
近年、アラブ諸国が次々にイスラエルと国交を樹立――この動きは加速し、世界情勢を一変させるだろう。今後の世界を読み解く鍵は中東にある。現地に長年駐在してビジネス経験を積み、独特な社会を研究し続けた著者が紹介する、知られざる中東の姿。世界を目指すビジネスマンや中東研究者必読の書!

中東を知るためには、イスラーム教が興った以前のアラブ社会がどのようになっていたのかを知る必要がある。また、イスラーム教はもとより、イスラーム以外のマイノリティ(少数派)が各地でどのように生き残っているのかを知ることにより、十把一絡げにはできない中東の現実が見えてくる。中東各地に数十年間駐在し、その現状をつぶさに研究し続けた著者ならではの視点と体験をもとに、日本人にも分かりやすく中東世界を紐解く。さらに最終章では、2020年に次々とイスラエルと国交正常化に踏み切った国々の背景と思惑を鋭く分析する。

目次

 発刊に寄せて……大野元裕

第1部 部族とイスラーム

 第1章 部族で構成された社会
 第2章 部族社会を支える連帯と帰属意識
 第3章 イスラームが興った頃のアラビア半島
 第4章 交易と巡礼の道
 第5章 イスラームの興りとユダヤ教
 第6章 部族の統治と刑罰
 第7章 イスラーム統治の広がりとシーア派
 第8章 イスラームの信仰
 第9章 イスラームの分派とイスラーム社会の指導者
 第10章 婚姻事情と家族法
 第11章 離婚のルール
 第12章 来世と聖者廟
 第13章 モスクの基本構造
 第14章 イスラーム都市の歴史的景観

第2部 インド洋を渡った南アラビア人

 第15章 海洋交易で広がったイスラーム
 第16章 環インド洋沿岸域に根付いたイスラーム社会
 第17章 東アフリカに進出したオマーンとイバード派
 第18章 イスラーム世界の奴隷
 第19章 外国人労働者の境遇とビジネス環境

第3部 宗教マイノリティと帰属意識

 第20章 ザイド派の部族社会
 第21章 北イラクのクルド人
 第22章 クルド人とヤズィーディー
 第23章 クルディスタンのヤルサン教団
 第24章 イラクに根付いたキリスト教
 第25章 クルディスタンのユダヤ人
 第26章 湾岸産油国の対イスラエル政策の変化

 用語解説
 引用文献
 解説……塩尻和子
 あとがき

著者略歴

著:林 幹雄
1956年富山市生まれ。大阪外国語大アラビア語科卒業。カイロ・アメリカン大学留学。住友商事株式会社でマスカット、バグダード、エルビル各事務所長、住友商事総合研究所国際調査チーム長等を歴任。株式会社オフィス・バドゥ代表、防衛省勉強会講師(2015~2020年)、日本オマーン協会理事、日本パレスチナ友好協会理事、地域文化学会理事、イエメン企業アドバン日本代表。通訳案内士。

ISBN:9784895860550
出版社:ミルトス
判型:A5
ページ数:260ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2021年01月
発売日:2021年02月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB