保育・幼児教育の戦後改革
著:加藤 繁美
紙版
内容紹介
本書は、第二次世界大戦終結後につくり出された戦後保育・幼児教育制度のうち学校教育法・児童福祉法・保育要領を中心に、その形成過程を歴史的・実証的に検討したものである。多様に展開された議論の場には、占領軍や文部・厚生両省の関係者のみならず、在野で子どもたちの現実と向き合う人々も参加していた。時代の制約を受けつつも、保育・幼児教育の普遍化や保育実践の基準文書のあり方をめぐってかわされた当事者たちの言葉は、公的保育とは何か、それはだれがどのようにつくっていくのかを今を生きる私たちに問いかける。
目次
【おもなもくじ】
序章 戦後保育・幼児教育制度改革の構図
第Ⅰ部 戦後幼稚園制度の誕生
第一章 幼児教育制度改革案の起点となった米国対日教育使節団報告書
第二章 幼稚園学校化と五歳児保育義務化を打ち出した教育刷新委員会
第三章 学校教育法案に具体化されていった戦後幼稚園の形
第四章 学校教育法幼稚園規定に対する帝国議会の審議
第Ⅱ部 戦後保育所制度の誕生
第五章 児童保護法案から児童福祉法案へ、そして児童局の設置へ
第六章 児童局の設置から児童福祉法国会提出まで
第七章 児童福祉法保育所規定の国会審議
第八章 保育制度一元化と戦後改革
第Ⅲ部 保育要領の誕生
第九章 ヘレン・ヘファナンの招聘と保育要領編纂作業の開始
第十章 保育要領の形成過程
第十一章 保育要領の刊行と戦後保育実践
終章 未完の物語としての戦後保育・幼児教育改革