ツシマ 世界が見た日本海海戦
著:ロテム コーネル
訳:滝川 義人
内容紹介
参加将兵3万人、艦艇150隻を超える日本海海戦は史上最大の艦隊決戦であり、近代技術を駆使した〝東洋の力〟がヨーロッパ有数の軍事力に海上で勝利した最初の戦いだった。日本海軍の勝利は西洋世界では畏怖され、植民地世界では祝福された。しかし、この戦いの勝利の要因であった「艦隊決戦」と「大艦巨砲主義」に日本海軍はその後も囚われ続け、太平洋戦争の最後の日まで状況の変化に適応できなかった。日露英米独の資料をもとに、海戦を包括的に分析し、世界がこの戦いをどう評価し、その後の世界にどのような影響を与えたかを明らかにする!
目次
目 次
日本語版に寄せて(ロテム・コーネル) 1
謝 辞 4
推薦の言葉 6
凡 例 13
資料 対馬沖海戦時の日露艦隊の編成 15
はじめに 19
第一章 背 景──「TSUSHIMA」への道程 21
準鎖国政策の終焉と日露交渉 21
正念場の時代──日清戦争とその余波 24
開戦前夜における海軍戦略と戦力比 27
日露戦争の勃発と一年目の戦況 38
バルチック艦隊の遠征 44
作戦計画と海戦前夜の戦力比較 53
第二章 戦 闘──最大、最後の艦隊決戦 60
第一段階──邀撃戦 61
第二段階──緒戦 68
第三段階──追撃戦 76
第四段階──夜間戦闘 80
第五段階──敗走、降伏そして終局 84
なぜ東郷は勝ち、ロジェストヴェンスキーは負けたか 93
(1)武 装 93
(2)装甲と艦の構造 96
(3)速 力 98
(4)通信と探知 99
(5)指揮統率と準備 99
(6)意 欲 100
(7)戦 術 102
(8)戦 略 103
第三章 傑出した海軍国になった日本 105
戦いに勝っても慈悲深い国 105
海戦後の日本帝国海軍 109
その後の帝国海軍 114
海戦の記憶とその意義 119
誇りと祝意──帝国時代(一九〇五〜四五年)120
強制された記憶の喪失──占領時代とその余波(一九四五〜五七年)125
誇りと理想──戦後独立回復時代(一九五七年〜)127
第四章 打ち砕かれたロシア海軍の夢 133
想像すらできなかった潰滅的敗北 133
海戦とロシアの国内外政策 135
海戦後の帝政ロシア海軍 140
変わり行く海戦の記憶 151
(1)衝撃と悲嘆──帝政時代(一九〇五〜一七年)151
(2)糾弾と警告──ソビエト時代(一九一七〜九一年)155
(3)ノスタルジーと陶酔──ロシア連邦時代(一九九一年〜)161
第五章 世界の反応と評価 164
メディアの反応 164
政策決定者の反応 173
海軍専門家の評価 179
第六章 学ばれた戦訓、学ばれなかった戦訓 188
戦艦の運命 189
技術開発上の結果 196
教義上の波紋 200
学ばれなかった戦訓─海戦と長期に及ぶ海軍の革命 207
第七章 結 論 211
ロジェストヴェンスキーの軍事的失敗 211
日本にとっては国家存亡の戦い 212
対馬沖海戦のインパクト 213
「歴史上最も決定的かつ完全な勝利」215
訳者あとがき(滝川義人)218
「グレートバトル・シリーズ」に寄せて(ヒュー・ストラカン)221
脚 注 286
資料文献 249
ISBN:9784890634330
。出版社:並木書房
。判型:A5
。ページ数:288ページ
。定価:2600円(本体)
。発行年月日:2023年05月
。発売日:2023年05月17日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JW。