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あがりこの生態誌

著:鈴木 和次郎

紙版

内容紹介

奇形木「あがりこ」の調査・研究を通して人間と森林のかかわりを問う! 

目次

●目次
はじめに 「あがりこ」との出会い 3

第1章 あがりことは何か? 7
 1.あがりこの定義 7
 2.あがりこ型樹形の形態 7 
 3.あがりこ型樹形の目的と管理法(台伐り萌芽更新) 9
 解説1 栄養繁殖と萌芽 10
 4.あがりこ型樹形の形成と利用目的のまとめ 13

第2章 福島県只見町におけるあがりこ型樹形の樹木群 15
 1.ブナのあがりこ 15
 2.あがりこ型樹形のコナラ 23

第3章 全国のブナのあがりこ巡り 31
 1.鳥海山麓のブナのあがりこ(秋田県にかほ市) 31
 2.姫川流域のブナのあがりこ(長野県小谷村・新潟県糸魚川市) 33
 3.ブナのあがりこの地理的分布 36

第4章 あがりこ型樹形のクヌギ 41
 1.台場クヌギと菊炭生産 41
 2.天蚕とあがりこ型樹形のクヌギ(山梨県北杜市・長野県安曇野市の事例) 45
 3.異説:刈敷林としてのあがりこ型樹形のクヌギ林 49
 解説2 クヌギの来た道 53

第5章 あがりこ型樹形のケヤキ―福島県郡山市の事例― 55

第6章 様々な広葉樹のあがりこ型樹形 65
 1.目的のよくわからないあがりこ型樹形のトチノキ 65
 2.養蚕とあがりこ型樹形のクワ(栃木県旧栗山村) 68
 3.ヤチダモのあがりこ型樹形―稲架木としての利用 71
 4.その他の広葉樹に見られるあがりこ型樹形 73

第7章 あがりこ型樹形のスギ 75
 1.アシウスギ(京都市片波川源流) 75
 2.台スギ(京都市北山) 79
 3.株スギ(岐阜県関市板取地区) 81
 4.日本海側の多雪地帯に広がる株スギ(新潟県阿賀町) 87
 5.糸魚川大所地区の天然スギ林 91
 6.台スギ・株スギの地理的分布 92

第8章 あがりこ型樹形のサワラ 95
 1.長野県松川村(有明山山麓部)のサワラ巨木林 95
 2.他地域でも見られるサワラのあがりこ型樹形 102
 3.サワラのあがりこ型樹形の形成過程 108
 4.サワラの台伐り施業の目的と背景 112

第9章 自然が生み出したあがりこ型樹形 115
 1.ブナの「あがりこ」もどき 115
 2.多雪地帯のブナの天然生あがりこ 117
 3.カラマツのあがりこ型樹形―人為それとも自然? 119

第10章 現代日本のあがりこ 123
 1.採種園・採穂園のあがりこ型樹形木 123
 2.増え続けるあがりこ型樹形 124
 解説3 街路樹、公園樹 128

第11章 海外のあがりこ型樹形(pollard) 129
 1.ヨーロッパにおけるポラード 129
 2.アジア地域におけるポラード 131

第12章 あがりこ型樹形管理(台伐り萌芽更新)の現代的な意義と役割 135

おわりに 140
引用文献 142
謝 辞 144
索 引 146

著者略歴

著:鈴木 和次郎
1950年生まれ。宇都宮大学大学院農学研究科(林学)修了。林野庁北見営林局、林業試験場、独立行政法人森林総合研究所に勤務。 専門は造林学、森林生態学。「林地雑草木の生活史」の研究をはじめ、水辺林の長期生態学的研究、針葉樹人工林の持続可能な森林管理・林業経営のモデル事業に従事。定年退職後は、福島県只見町でユネスコのMAB計画における「生物圏保存地域(呼称ユネスコエコパーク)」の登録と関連事業に携わる。主な著書に、『環境修復のための生態工学』(共著、講談社)、『主張する森林施業論』(共著、日本林業調査会)、『Ecology of riparian Forests in Japan』(共著、Springer)など。

ISBN:9784889652574
出版社:日本林業調査会
判型:B5
ページ数:152ページ
価格:2200円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TVR