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みどりの市民参加

森と社会の未来をひらく

編著:木平 勇吉

紙版

内容紹介

迷走する森林ボランティア活動の現状と課題を整理し、次のステップに向けたビジョンを描く!

目次

はじめに  3
第1章 2000年以降の市民参加論(泉 桂子)  15
 第1節 研究の射程  15
 第2節 目的と方法  16
 第3節 市民参加の類型あるいはその整理  17
 第4節 市民参加の正統性  20
  1.仮説に対する言及  20
  2.仮説以外の論点の検証  23
 第5節 まとめに代えて  27

第2章 住民参加・パートナーシップによる森林管理・利用システム(秋廣 敬恵)  31
 第1節 本稿の目的  31
 第2節 用語の整理  31
  1.住民参加  32
  2.パートナーシップ  32
  3.協議システム  33
 第3節 住民参加・パートナーシップによる森林管理・利用システム  33
  1.システムの概要  33
  2.日本における森林管理・利用システムの類型的整理  36
 第4節 千葉県我孫子市「古利根の森」の事例  38
  1.森林管理・利用システム形成の経緯  39
  2.森林管理・利用システムの概要  41
  3.コアシステムの運営における変化  44
  4.近隣住民との合意形成  45
  5.森林管理・利用システムに対する評価と課題  45
 第5節 おわりに  48

第3章 里山保全のための市民参加(松村 正治)  51
 第1節 はじめに―市民参加が前提とされる時代  51
 第2節 市民参加の制度化という問題  53
 第3節 「里山」の定義再考―「私」との関係性で決まる意味  55
 第4節 里山ルネッサンスから国民参加の里山保全へ  57
 第5節 市民による里山保全運動の系譜  60
 第6節 協働時代に求められる里山マネジメント  63
 第7節 市民参加による里山保全の行方―協働から自主管理へ  66
 
第4章 市民と森とを結ぶNPO法人森づくりフォーラム(吉村 妙子) 69
 第1節 広がってきた森林ボランティア  69
 第2節 森づくりフォーラムへの着目  70
 第3節 森づくりフォーラムの変遷  72
  1.森林ボランティアの黎明期と任意団体森づくりフォーラム  72
  2.特定非営利活動法人森づくりフォーラムの設立  74
  3.事務局基盤を整備する(2000年度~2001年度)  75
  4.中間支援活動を志向し拡大成長(2002年度~2005年度)  76
  5.新ビジョンを模索する(2006年度以降)  78
  6.補完的視点―事業と経営状況の変化―  79
 第4節 まとめ  81
 
第5章 みどりのコーディネーションNPOの可能性(佐藤 留美)  87
 第1節 はじめに 87
 第2節 市民参加とコーディネーター  88
  1.コーディネーターの必要性  88
  2.市民参加コーディネーターの歴史  89
  3.協働型社会におけるコーディネーター  89
 第3節 みどりの市民参加活動  90
 第4節 コーディネーターの役割  93
  1.市民参加の骨格となる仕組みづくり  93
  2.市民参加の原動力となるマインドの醸成  94
 第5節 東京都立野山北・六道山公園の事例  96
  1.野山北・六道山公園における市民参加の背景  97
  2.市民参加型のパークマネジメント  98
  3.取り組みの成果  102
 第6節 みどりの市民参加を促進するために  107
 第7節 おわりに  108

第6章 協働による地域づくり・森林づくり―北海道下川町の試み―(柿澤 宏昭)  111
 第1節 はじめに  111
 第2節 下川町の概要と初期の取り組み――クラスター研究会が始まるまで  112
 第3節 下川町産業クラスター研究会の発足と展開  114
 第4節 クラスター研究会の「失速」  118
 第5節 クラスター研究会から生まれた取り組み、そして新たな展開の萌芽  121
 第6節 まとめ――これからの課題  125

第7章 参加型協議会による自然公園の統合的保護管理(谷川 潔)  129
 第1節 はじめに  129
 第2節 日本、イギリスとアメリカの国立公園  130
  1.地域性公園制度と営造物公園制度との違い  130
  2.日本に適用可能な保護管理モデル  131
 第3節 レイクディストリクト国立公園の特徴  132
  1.イギリスの国立公園およびレイクディストリクト国立公園  132
  2.レイクディストリクト国立公園の特徴  133
 第4節 自然公園の保護管理への参加型タイプ  135
  1.国内外の自然公園における参加型タイプ  135
  2.自然公園の参加型協議会による合意形成の必要性  136
 第5節 国立公園ビジョン2030とパートナーシップ協議会  137
  1.国立公園ビジョン2030(The VISION for the Lake District National Park 2006-2030)  138
  2.ビジョン2030に関する国立公園事務所の考え方  138
  3.国立公園パートナーシップ協議会  139
 第6節 日本の自然公園における参加型統合保護管理  141
  1.地域性自然公園におけるガバナンス(全体運営)の重要性  141
  2.日本の自然公園に適用可能な参加型統合保護管理  142
  3.参加型統合保護管理における参加型タイプ  144
  4.参加型統合保護管理を導入した場合の留意点  144
  5.参加型協議会の役割と参加者の制限  145/ 6.参加型協議会における合意形成のための会議運営手法  146
 第7節 参加型統合保護管理を実施していく際の課題  147
  1.参加型協議会での合意形成に対する認識の国内外の違い  147
  2.統合的保護管理に関する対応能力向上の必要性  149
  3.ビジョン2030の現在の検討状況  150
 第8節 おわりに

第8章 水源環境保全における市民参加―神奈川県の参加型税制―(長谷川 朝惠)  155
 はじめに  155
 第1節 事業の検討過程の概要  156
  1.多様な参加の場が用意された県民との議論  156
  2.県議会での議論の経過概要  157
  3.県民負担の決定とその特徴  159
 第2節 県民参加を推進する新たな取組み「参加型税制」  160
  1.全国シンポジウム分科会での議論  160
  2.全国シンポジウム全体会での議論  161
 第3節 「参加型税制」の県民参加を実現する場「県民会議」  163
  1.県民会議の目的  163
  2.県民会議の組織と構成  163
  3.県民会議の活動概要  164
  4.県民会議の成果と課題  165
  5.「参加型税制」のさらなる充実に向けて  167
 まとめ  170

第9章 市民協働による自然再生―「丹沢大山自然再生委員会」の試み―(木平 勇吉)  175
 第1節 はじめに  175
 第2節 丹沢の自然再生活動の背景  176
  1.生態系撹乱の経緯と現状  176
  2.市民参加による丹沢大山総合調査  176
  3.丹沢大山自然再生委員会の構想  177
 第3節 丹沢大山自然再生委員会の発足  178
 第4節 再生委員会の運営と活動実績  180
  1.1年目(2006年10月から2007年9月)―組織の立ち上げ期―  181
  2.2年目(2007年10月から2008年9月)―協働活動の始動期―  183
  3.3年目(2008年10月から2009年9月)―協働活動の定着期―  185
  4.野外現場での活動実績  186
 第5節 再生委員会の運営と活動の評価  186
  1.計画部会の役割―科学的な専門性による協働―  186
  2.県民部会の役割―会員団体による多様な活動と合意―  188
  3.再生委員会の独自の役割―社会的な認知―  189
 第6節 まとめ―再生委員会の将来について―  190
  1.総合調査の遺産としての協働意識と科学的なデータ  190
  2.協働意識を持ちつづける方法  190
  3.再生委員会の仕組みと機能強化  191
  4.企画力の向上  191
  5.地域社会との連携  192

執筆者一覧  195

著者略歴

編著:木平 勇吉
東京農工大学名誉教授

ISBN:9784889651959
出版社:日本林業調査会
判型:A5
ページ数:197ページ
定価:2381円(本体)
発行年月日:2010年01月
発売日:2010年01月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ