「経済戦士」の父との対話
俳句にみる戦時下の人びと
著:大川 真郎
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内容紹介
この悲惨な時代を“経済戦士と俳人”として真摯に生き、「大洋丸事件」の犠牲者の一人となった父の俳句と日記から、戦争の無謀さ、無責任さ、愚かさ、悲惨さを改めて訴える。
本書を亡き父と次の世代に捧げる。
・はじめに
・第一章 父のおもかげを尋ねて
・第二章 残された俳句と散文 (1920年~1936年)
・第三章 俳句界にも戦争の影響 (1937年~1940年)
・第四章 日中戦争下の暮しと思い (1941年1月~5月)
・第五章 占領下の中国をゆく (1941年5月~6月)
・第六章 「経済戦士」の死 (1942年5月)
・終 章
・おわりに
・年表
・参考文献
目次
■はじめに
■第一章 父のおもかげを尋ねて
・父の記億
・新宮市と大逆事件
・会社勤めと俳句の人生
・結婚そして妻の死
・故郷に眠る
■第二章 残された俳句と散文 (1920年~1936年)
・俳句の道へ
・子規と漱石の友情
・「倦鳥」の誌友となる
・生涯の師・西村白雲郷氏との出会い
・俳句にみる父
・俳句界の変革を目指して
・散文にみる父
■第三章 俳句界にも戦争の影響 (1937年~1940年)
・俳句同人らが戦場へ
・父の俳句論―「近代俳句と色彩」
・父の俳句に対する評価
・俳句仲間のみた父
・前線俳句が中心に
・父への召集
・俳句誌『断層』の廃刊
■第四章 日中戦争下の暮しと思い (1941年1月~5月)
・軍務の日々の中で
・自分をみつめる
・故郷を想う
・話題は戦争のことばかり
・戦時下のあくどい商法
・気になる父の思想
・戦時下の煙草のお粗末さ
・八歳の子との対話
・なぜフランスは敗けたか
・戦争「正当化」の理論的支柱
・「世界新秩序の第一歩―満州事変」
・戦争「正当化」のための皇国史観
・特派員のみた南方諸国
■第五章 占領下の中国をゆく (1941年5月~6月)
・ボロ船での出発
・東支那海を航く
・揚子江の広さに一驚
・南京にて―知らされなかった南京大虐殺
・漢口にて―中国民族の生活力に驚く
・上海にて―テロの暗躍を抑え切れず
・中国をどう見たか
・恵まれた中国出張
・家族への思い
・帰国後のこと
■第六章 「経済戦士」の死 (1942年5月)
・命運を握る南方資源の開発
・国策戦士の人選
・最初から輸送船が不足
・早や領海内に敵潜水艦
・魚雷が船を撃沈
・明暗分けたボートへの乗船
・ボートの争奪
・遅れた救出作業
・事件の隠蔽
・「大洋丸会」の結成
・生還者の苦労
・捕虜となった父の友人
・父の贈りもの
・大洋丸の発見
・いまだ海に眠る30万体
■終 章
・遺句集の発行
・二人の師の序文
・追悼句会の開催
・俳句界にも弾圧が及ぶ
・俳句界も大政翼賛下に
■おわりに
●年表
●参考文献