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刀水歴史全書 67

ミケランジェロと政治

著:ジョルジョ・スピーニ
訳:森田 義之
訳:松本 典昭

紙版

内容紹介

天才芸術家は政治的激動期を如何に生きたか

目次

「欧米におけるこの半世紀のミケランジェロ研究は,伝記的研究よりも作品研究,それもイコノロジー研究が主流を占めてきた・・・」(本書あとがき)。日本でも,文学性豊かなロマン・ロランの『ミケランジェロの生涯』や羽仁五郎の『ミケルアンジェロ』以降,数多くの画集や解説書,ミケランジェロの全書簡の翻訳まで出版されているにもかかわらず,図像学的研究ではなく歴史資料に基づいた伝記が,出版されてこなかった。現代イタリアを代表する歴史家ジョルジョ・スピーニ(1916~2006)による本書(1966年)翻訳の意味はここにある。

【主要目次】
 1 史料の問題
 2 「市民」の家系 要職の歴任/市政の変遷
 3 市民共同体「天使のごとき姿」/市民の愛郷心
 4 斜陽の一族 一族の苦境/家系断絶の危機/父の嘆き
 5 父と子 父の忠告/父の尊厳
 6 青春のフィレンツェ メディチ家/サヴォナローラ/ソデリーニの共和制
 7 初期の彫刻作品 《バッコス》/宗教彫刻/《ダヴィデ》
 8 システィーナ礼拝堂天井画 聖書研究/俗語訳聖書/「メドゥーサ」のごとき教皇
 9 恐慌と緊張 一五一二年の恐怖/遁 走/夏の夜の幻視
 10 教皇レオ十世時代 歓喜と不安/サン・ロレンツォ聖堂/教皇の愛情
 11 苦悩する魂 宗教詩/神の恩寵のみ
 12 最後のフィレンツェ共和国 築城計画/カッポーニからカルドゥッチへ/
   ブシーニの証言
 13 フィレンツェ共和国の終焉 敵前逃亡/理想と現実/メディチ公国の誕生
 14 ローマの共和派 ローマ永住/亡命共和主義者/ストロッツィ家
 15 コジモ一世との関係 帰国の勧誘/「世界中が泣いている」
 ミケランジェロ時代のイタリア政治 (松本典昭)
 あとがき―ジョルジョ・スピーニと丹仁五郎のミケランジェロ論をめぐって (森田義之)
   (付録)ブオナローティ家系図/ミケランジェロ関連年表/索引

ISBN:9784887083189
出版社:刀水書房
判型:4-6
ページ数:180ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2003年10月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA