鉄筆とビラ
「立高紛争」の記録 1969-1970
編:都立立川高校「紛争」の記録を残す会
内容紹介
「立高」のバリケード闘争とは、なんだったのか。
1969-1970年当時の高校生たちのガリ版刷りの「叫び」から見えてくるもの。
「〝高校紛争〟と言われた時代の、記録と記憶の、心打つ集成だ」
小森陽一氏(東京大学名誉教授)推薦
「私たちの世代は、あの時、何を世の中に求めていたのだろうか」
金子勝氏(慶應義塾大学名誉教授)
「いまの高校生や、若い高校の教員たちに読んでほしい」
渡辺治氏(一橋大学名誉教授)
「1960年代に深部から壊れつつあった戦後民主主義が、その力を美しく凝縮させた一瞬が描かれたドキュメンタリー」
後藤道夫氏(都留文科大学名誉教授)
中西新太郎(関東学院大学教授)
高校紛争の証言記録として貴重なものだ。
乾彰夫(首都大学東京名誉教授)
何に傷つき、何に励まされたのかなどが語られている点で、「生きた」記録になっている。
目次
目 次
まえがき
第1部 実録「立高紛争」
第1章 バリケード封鎖から解除まで
――動揺そして混迷(10/20~26)
1 とつぜんのバリケード
2 バリケード封鎖二日目まで
3 バリケード反対のビラが出た
4 バリケードを守るピケ隊
5 バリ派によるバリケード「自主」解除
第2章 生徒総会とクラス討論の二週間
――生きるとは、自らを表現すること(10/27~11/10)
1 「生徒主導のHR」案の可決
2 無数のビラ群
3 クラス討論と運営委
4 授業再開案の可決
第3章 バリケード前史――立川高校という学校
1 〝変な学校〟
2 体育祭のキャンバス作り
3 立高の教員たち
4 社会、政治に対する生徒たちの関心の高さ
5 そして、1969年
第4章 ロックアウト下の800名署名と『静かなる、切なる訴え』
――民主主義と学習権(11/11~24)
1 なにがロックアウトにつながったのか
2 3項目の署名運動が始まった
3 『静かなる、切なる訴え』
第5章 生徒会再建と新生徒会長の選出へ
――民主主義と学ぶ権利をめぐる攻防(11/25~12/26)
1 授業完全再開の一方で新たに引き起こされた混乱
2 授業と生徒会に対する二つの方向性の対立
3 選挙・授業妨害が行われ、監査委が監禁される
4 新生徒会長選出
第6章 講座制実現への動き
――「学習権」を実体化する制度作り(12/31~3/31)
1 退学処分が出される
2 講座制検討委の発足
3 「処分撤回斗争」のその後
4 講座制=自由選択科目の実現、次の生徒会へ
第2部 50年前のわたし、50年後のわたしたち
第7章 蒼き時代の「漂流」と50年後の「ノーサイド」
1 心に突き刺さった「自己否定」という棘
2 不条理劇「怨みをこめてふりかえれ」としての「立高紛争」
3 危なっかしい私を支えたもの
4 蒼き時代の漂流の始まり
5 50年の歳月「社会のリアル」と「人との出会い」
6 50年後の「ノーサイド」
第8章 女子生徒の見た「紛争」――50年前の「自由と規律」
1 立高「紛争」のこと
2 50年がたって 今考えること
第9章 キャンバス派を生きて
第10章 立高「紛争」が、こんにちの私たちに訴えかけるもの
1 バリ派の「ひと時の光芒」
2 私たちが学んだこと その今日的な意義
第3部 資料 ビラ・冊子リスト
あとがき