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東京修道館剣道教本

著:中村福義

紙版

内容紹介

大正7年創設の東京修道館は私設道場として100年以上の歴史をもつ。中村家三代にわたり剣道を通して剛健なる青少年の育成に努めて多くの優秀な人材を輩出してきた。その教育方針を受け継ぐ三代目中村福義氏が剣道時代誌上で発表したものがまとめられたのが本書である。

目次

◎推薦の言葉:矢野博志
◎素振り:左拳を左腰に乗せるように構え、剣先に力を集中させて一拍子で振る
 ・正しい構えは後ろ姿が美しい。/ 左腰始動で相手の突き垂れをえぐるように振り上げる/ 打突動作にもっとも近い前進面をより実 
  戦的に行う/ 衰えるのは下半身。足に負荷をかけるため大きく足を使う/ 攻めを意識した空間打突で相手を打つイメージをつくる
◎基本稽古:機会をとらえる。崩して打つ。これが上達につながる基本稽古の要点
 ・基本稽古で心掛けるべき十箇条/ 仕かけ技 大きな面が打てれば、小さな面も打てる/ 応じ技 十箇条の総仕上げとなる基本
◎左強化:左手・左足・左腰。左半身を鍛え、理で打つ剣道を身につける
 ・左脇を締めて左手を左腰に左腰に乗せる感覚で構える/ 竹刀の振り上げ、振り下ろしは左手を主とする/ 打突は左腰を相手の腰に
  ぶつける気持ちで行なう/ 左脇を締めて相手の中心を取り、左脇を締めて乗り返す/左半身を強化する素振り。振り下ろしで強く
  大きく足を出す
◎攻撃力:攻めは総合力。「あなたは攻めがない」と指摘されたら見直すべき重要課題
 ・左半身に意識をおいて相手に圧力をかけるようにする/ 竹刀操作は足腰と連動させながら行なうことで攻めにつながる/ 体勢を整
  えることが重要。技をつないで二の太刀で決める
◎捨て身:7つの課題を頭に入れて「捨て切る」を身につける
 ・課題1 送り足と素振り 足が止まると打ち切れない。送り足と素振りを励行する/ 課題2 切り返し 左拳を正中線から外さない
ことが正確な竹刀操作につながる/ 課題3 構え 左足の膝を相手の中心に向けて隙のない、攻撃的な構えをつくる/
  課題4 気攻め 左腰から相手を追い込んでいくイメージで圧力をかける/ 課題5 中心を取る 中心は左手で取る。公刃の
  合間からの入り込みを鋭くする/ 課題6 面打ち 相手の剣先を懐に入れる。左手を軸に大きく一拍子で打ち切る/ 課題7 打突
  力 左手の親指は相手の喉を指し、右手の親指は相手の右目を指す
◎脱力の効果:肩の力を抜くことで、身体の中心に力が漲る
 ・握りと構え 下筋を意識し、脇を締めて構える/ 間詰め 右足を浮かせ、左腰から間を詰める/ 振りかぶり 左肩を前に出す
  気持ちで振りかぶる/ 振り下ろし 最短距離で竹刀を振り下ろす/ 踏み込み 相手の中心にむかって右足を踏み込む
◎全国審査対策:さあ全国審査。高段位受審における合格に向けた9つの着眼点
 ・無心で相手を観て常に攻め気を漲らせる/ 相手を引き出して前で応じる/ 普段の稽古から打ち気を溜め力強く打ち込む
◎四段・五段審査対策:半歩の責めを繰り返し、いつでも出られる体勢で攻め勝って打つ
 ・風格のある着装と礼法・所作を身につける/ 理に適った構えから体勢を崩さずにまっすぐ強く打つ/左腰からの攻めを意識し、
いつでも打てる体勢を整えておく/ 応じ技は先の気持ちで応じ、力強い打突を心がける
◎東京修道館小史①:開館百年を迎えた東京修道館のDNA
◎東京修道館小史②:終戦後は土蔵を改築した道場でひっそりと再会した
◎あとがき
 

 

著者略歴

著:中村福義
昭和23年東京都生まれ。大正7年開設の東京修道館三代目として、祖父中村武彦、父中村鶴治の指導により、4歳の頃より剣道の手ほどきを受ける。慶應義塾志木高校から慶應義塾大学に進み、卒業後は東急不動産勤務、その後、独立して事業化としても活躍。現在は館長として日夜、後輩の指導にあたる。東京都剣道道場連盟会長、元慶應義塾大学剣道部監督。剣道教士八段。

ISBN:9784884584320
出版社:体育とスポーツ出版社
判型:4-6
ページ数:112ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SR