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有機農業

これまで・これから

著:小口 広太

紙版

内容紹介

「農業も環境に負荷をかけないようにする」というのが世界の主潮となっている。有機農業の割合は、すでに欧州(2018年)ではイタリア15.8%、スペイン9.6%、ドイツ9.6%、フランス7.3%である。これらの水準に比べ、動きの鈍い日本はわずか0.5%で極端に水をあけられた状態のまま。
農水省発表の「みどりの食料システム戦略」は、2050年までに有機農業の割合を25%(100万ヘクタール)に拡大するなどの目標を打ち出したもの。これまで専作化、規模拡大、コスト低減など市場原理優先の成長路線で突き進んできただけに、かけ声だけでは現場からいちじるしく遊離した絵空事になりかねない。
そこで、質的転換をはかるために必要なのが、まずは有機農業の実相、立脚点などの概観の把握、分析・検討。あらためて有機農業をめぐる内外の動向や生い立ち・進捗、取り組み形態、地域的な広がりなどを明らかにし、新たな展開への手がかりを探る。

目次

【主なもくじ】
有機農業の現在地と可能性 序に代えて
第1章 有機農業とは何か
第2章 有機農業の進捗をめぐって
第3章 有機農業の源流と自給・提携
第4章 提携の揺らぎと関係性への模索
第5章 有機農業の担い手を育てる
第6章 有機農業が地域を動かす1 地域に広がる有機農業
第7章 有機農業が地域を動かす2 学校給食の有機化
第8章 有機農業は広がるか
あとがき
有機農業インフォメーション(本書内容関連)
さくいん(人名・組織名)
ほか

著者略歴

著:小口 広太
【プロフィール】
千葉商科大学人間社会学部准教授。1983年、長野県塩尻市生まれ。明治学院大学国際学部卒業後、明治大学大学院農学研究科博士後期課程単位取得満期退学、博士(農学)。日本農業経営大学校専任講師等を経て2021年より現職。専門は地域社会学、食と農の社会学。有機農業や都市農業の動向に着目し、フィールドワークに取り組む。日本有機農業学会前事務局長、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)理事などを務める。著書に『日本の食と農の未来』(光文社新書)、『都市農業の変化と援農ボランティアの役割』(共著、筑波書房)、『有機給食スタートブック』(共著、農文協)など。

ISBN:9784883403639
出版社:創森社
判型:A5
ページ数:210ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TVG
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TVF