歴史公文書が語る湖国
明治・大正・昭和の滋賀県
編:滋賀県立公文書館
内容紹介
「滋賀県には海があった?」「彦根城の外堀が埋め立てられたのはなぜ?」「二度にわたる県庁移転騒動の背景は?」全国的にも貴重な滋賀県立公文書館が所蔵する約1万4000冊の歴史公文書。その所蔵資料をもとに明治期から昭和期までの滋賀県のあゆみを豊富な資料写真を交えて、わかりやすく紹介。知られざる湖国の近代史。
目次
発刊に寄せて 滋賀県知事 三日月大造
はじめに 滋賀県立公文書館長 松本直樹
第1部 明治・大正・昭和の滋賀県
第1章 滋賀県の誕生──明治元〜十年
【概説】大津県の時代/滋賀県の誕生/新しい自治の仕組み/
滋賀県の「文明化」/藩士たちの明治維新/「史誌編輯」のはじまり
1 廃仏毀釈と文化財保護
2 明治時代の城郭保存
3 簿書専務の設置
4 第二代県令籠手田安定
5 近江商人と近江米
第2章 文明開化と滋賀県──明治十一〜二十一年
【概説】教員養成のはじまり/彦根製糸場の開業/最初の県会開催/
鉄道路線の誕生/田川カルバートの建設/新庁舎の完成
1 彦根製糸場と工女たち
2 実現しなかった鉄道路線
3 「海があった時代」の終焉
4 秘密文書が語る自由民権
5 彦根城外堀の養魚場
第3章 白熱する滋賀県会──明治二十二〜二十六年
【概説】地方制度の確立/インフラの近代化/白熱する滋賀県会/
饗庭野陸軍演習場の設置/大津事件
1 皇室と近江の幸
2 瀬田唐橋は木造か鉄筋か
3 県庁移転騒動
4 幻の坂井郡
5 瀬田川浚渫と大越亨
第4章 相次ぐ災害と戦争──明治二十七〜四十四年
【概説】琵琶湖大水害の発生/府県制・郡制の施行/日清戦争と日露戦争/
古社寺保存法の成立/「地方改良」の時代/姉川地震と震災記録
1 湖国のスポーツ大会
2 近江鉄道の軌跡
3 大津市誕生
4 天気予報のはじまり
5 京阪電鉄と京津電車
第5章 大正から昭和へ──大正元〜昭和二十年代
【概説】政友会の党勢拡大/景勝地の利用と保護/滋賀県史の編纂/
関東大震災の発生/悠紀斎田の選定/都市計画の策定
1 「未発」の米騒動
2 外国貴賓のおもてなし
3 国際ホテルのさきがけ
4 梵鐘を守った文化財技師
5 GHQの時代
6 マラリアの撲滅
第2部 滋賀県立公文書館の紹介
第1章 利用案内
寄稿 公文書館への序章 元滋賀県審議員 梅澤幸平
第2章 所蔵資料の解説
1 県官員履歴
2 社寺明細帳
3 府県史料『滋賀県史』
4 琵琶湖疏水関係文書
5 古社寺調書編冊
6 湖国巡幸の記録
関連年表
あとがき