絵画における真実
近代化社会に対するセザンヌの実践の意味
著:永井隆則
内容紹介
「セザンヌには美という観念はなかった。あるのは真実という観念だけだった。」
(エミール・ベルナール、1907年10月1日)
何故、何のためにセザンヌは描き続けたのか? 日本を代表するセザンヌ研究者が、画家の存在に関わる究極の問いに答える!
目次
はじめに 7
第Ⅰ部 「絵画における真実」を探求した画家の生涯と作品 19
第Ⅱ部 創作主体としてのセザンヌ 141
第1章 書簡に表明された芸術観 143
第2章 理想郷としての女性表象 185
第3章 「仕上げ(fini)」の否定と「絵画における真実」の自覚 228
第Ⅲ部 セザンヌの芸術環境 251
●芸術家
第1章 過去の巨匠たちとの対話 254
第2章 印象派の美学とセザンヌ 277
第3章 ロダンとセザンヌの芸術的連帯 296
●批評家
第4章 社会参加としてのゾラの美術批評 340
第5章 ゾラとの共同作業としての芸術観の樹立 370
●コレクター
第6章 コレクター 414
●工芸家とデザイナー
第7章 アール・ヌーヴォーと生命主義思想 432
第8章 セザンヌとモダン・デザイン 456
第Ⅳ部 セザンヌの「場所」 479
●土地
第1章 パリ滞在の意味 ──芸術と自然の弁証法 482
第2章 セザンヌのアルカディア ──プロヴァンス 515
第3章 ジャズ・ド・ブッファンとセザンヌ絵画の原初的意味 528
●社会
第4章 セザンヌの社会史研究の可能性 568
第5章 近代化社会における「感覚の実現」の意味 608
おわりに 657
あとがき 667
─────
Truth in Painting: The Meaning of Cezanne’s Practices for a Modernizing Society 1
註 11
文献表(Bibliography) 120
人名索引 153
事項索引 161
引用図版出典一覧 171