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ユーラシアを探して

ヨーゼフ・ボイスとナムジュン・パイク

著:渡辺 真也

紙版

内容紹介

地球の陸地の40%を占める大陸、ユーラシア(Eurasia)。この一つの大地の西に位置するヨーロッパ(Euro)、東に位置するアジア(Asia)には共通する文化的ルーツがあることに目を向け、東西に分裂した世界の再構築を目指したのが、ヨーゼフ・ボイスとナムジュン・パイクによるプロジェクト《ユーラシア》である。それぞれの生い立ちに深く結びつきながら、歴史や哲学に対する深い洞察をもって構想されたこの抽象的作品を正確に理解し、二人が人類に残したビジョンを明らかにする。

目次

はじめに 11

第1章:ユーラシアの創造 19
1 一九四五年までのヨーゼフ・ボイス  19
2 一九四五年から一九六二年までのヨーゼフ・ボイス  34
3 《アウシュヴィッツ・ビルケナウ記念碑》  61
4 シリーズ《白鳥の知性》  79
5 《「西洋人プロジェクト」からの4冊の本》  94
6 《ユーラシア人》  100

第2章:ヨーゼフ・ボイスとナムジュン・パイクの出会い 107
1 一九六一年のデュッセルドルフにて   107
2 ボイスの《シベリア交響曲第一楽章》  123
3 《ピアノ・アクション》  145
4 ボイスとパイクの「アジット・ポップ/デ・コラージュ」  156
5 ボイスとパイクの《二四時間》  188
6 パイクとモーマンの《できるだけ退屈に》とボイスの《グランドピアノのための等質浸潤》  227
7 パイクの《ガダルカナル鎮魂曲》  246
8 ボイスの《フェルトTV》と《ユーラシア》  266

第3章:ユーラシアの発展 287
1 ボイスの《自由民主社会主義国ユーラシア》  287
2 ボイスの《ユーラシアの杖》  305
3 パイクの《エレクトロニック・スーパーハイウェイ》  334
4 ドクメンタ6でのサテライト・テレキャスト  353

第4章:出会いと別れ 363
1 ボイスとパイクの《ジョージ・マチューナス追悼》   363
2 ボイスの《七〇〇〇本の樫の木》  380
3 ボイスとパイクの最後のパフォーマンス:日本での《コヨーテⅢ》  409

あとがき 453

―――――
注 1
参考文献一覧 59
引用図版出典一覧 73

著者略歴

著:渡辺 真也
1980年沼津市生まれの映画監督/インディペンデント・キュレーター。ニューヨーク大学大学院シュタイナート教育学部修士課程修了後、ニューヨークのイーサン・コーヘン・ファインアートにてギャラリー・マネージャーを2年務め、アートキュレーターとして国民国家に焦点を当てた国際美術展をアメリカ、スイス、ドイツ、日本等で開催。東京都歴史文化財団東京文化発信プロジェクト室を経て、文化庁新進芸術家海外研修員(2011-2013)。ベルリン工科経済大学造形文化学部で4年間教鞭を執る傍ら、本書にてベルリン芸術大学造形学部にて博士課程を修了。美術史博士。初監督した映画『Soul Odyssey:ユーラシアを探して』(2016)が、インドネシア世界人権映画祭にて優秀作品賞とストーリー賞を受賞。主な美術展に「アトミックサンシャインの中へ:日本国平和憲法第9条下における戦後美術」(2008-2009)、「ナムジュン・パイク 2020年 笑っているのは誰 ?+?=??」(2016–2017)、「はじまりの線刻画:アイルランド・スカンジナビアから奄美群島へ」(2018)等。テンプル大学講師。

ISBN:9784883035038
出版社:三元社
判型:A5
ページ数:540ページ
定価:5200円(本体)
発行年月日:2020年01月
発売日:2020年02月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA