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ポルトガル文学叢書 10

あらゆる名前

著:ジョゼ・サラマーゴ
訳:星野 祐子

紙版

内容紹介

 ポルトガル語圏初のノーベル賞作家が独自の文体で描く異色作。孤独な戸籍係の奇妙な探求を通して、人間の尊厳を失った名も無き人の復活劇を描く!
 ●『あらゆる名前』は一見、この上なくシンプルなプロットの動きの少ない小説である。しかし、そのなかにはカフカに通じる官僚化する現代社会を見つめる視点や、人間と人間との関係について、そして背景には、やはり歴史的につくられたポルトガルの風景や言葉などがある。あるいは、あるひとりの人を追い求め人間の心の内を心理学的コンテクストで読むこともできるし、他人を求める人間という視点から、他者あっての自分を考える材料ともなり、ひとつひとつの出来事を社会学的視点から解読していくことも、また全体を包括する広い宇宙という観点から哲学的に楽しむこともできる。聞き手がどのような方向から、どのような距離からアプローチしても相応に答えてくれる小説と言える。

著者略歴

著:ジョゼ・サラマーゴ
José Saramago ジョゼ・サラマーゴ(1922—2010)長く続いたポルトガルのサラザール独裁体制が崩壊した1974年のリスボンの春以降、ジャーナリストから作家に専念し、国民的作家となる。1998年ノーベル文学賞を受賞。代表作の『リカルド・レイスの死の年』(ジョゼ・サラマーゴ 著、岡村多希子訳、彩流社、2002年)をはじめ『見知らぬ島への扉』(ジョゼ・サラマーゴ著、黒木三世訳、アーティストハウス、2001年)、『あらゆる名前』(ジョゼ・サラマーゴ著、星野祐子訳、彩流社、2001年・『Todos os nomes, 1997』 )、『白の闇』(ジョゼ・サラマーゴ著、雨沢泰訳、日本放送出版協会(NHK出版)、2001年)、『21世紀への英知』(ジョゼ・サラマーゴ 他著、日本放送出版協会(NHK出版)、1999年)、『修道院回想録』(ジョゼー・サラマーゴ著、谷口伊兵衛訳、ジョバンニ・ピアッザ訳、而立書房、1998年)など多数の作品がある。1998年、ポルトガル初のノーベル文学賞を受賞。
訳:星野 祐子
1967年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。1994-96年、ポルトガル、リスボン大学に学ぶ。メーカー勤務等を経て、翻訳者。

ISBN:9784882027102
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2001年06月
発売日:2001年06月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB