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藤森隆郎 現場の旅 新たな森林管理を求めて 上

著:藤森 隆郎

紙版

内容紹介

施業技術の疑問を誰かに質問したい、管理・経営方法の悩みを誰かに聞いてほしい、アドバイスがほしい。
 現場にはそんな切実な思いがあります。間伐方法、伐出方法、路網づくり、木材利用、目標林型、利益が出る経営とは、林業の目的とは。
 森林科学者・藤森隆郎先生が、日本各地の現場を訪ね、現場第一線の方々の疑問にズバリ答えます。もちろん、答えがすぐに見つかるとは限りません。現場問答の中から、技術、経営実践の中に、答えのヒントを見つけていく旅が繰り広げられます。
 持続可能な社会の土台となる「新たな森林管理」とは、どのようなものなのか。技術や経営の現場の中に、その答えを探します。
 月刊『林業新知識』連載に大幅加筆し、書籍化。

目次

1章 久万林業地での複層林経営
   岡信一さん 林業家(愛媛県久万高原町)
   複層林から単層林まで/山にメリハリをつける/
   林業家のアイデンティティー/地域の後継者
   岡信一さんとの対談を終えて

2章 森林認証を生かす経営
   静岡市林業研究会森林認証部会の皆さん
   森林認証で意識改革/モニタリングの意義
   静岡市林業研究会森林認証部会の皆さんとの対談を終えて

3章 施業と生態のつながりを現場にみる
   NPO法人信州そまびとクラブの皆さん(長野県佐久市)
   現場から発信/施業の生態的意味
   NPO法人信州そまびとクラブの皆さんとの対談を終えて

4章 林業クラスターで地域雇用創出
   山下邦廣さん 下川町森林組合(北海道下川町)
   地域内競合より、協業─ 事業・雇用の創出を目指して/
   地域の経営力を高める─ 産業クラスターの実践と人材育成
   山下邦廣さんとの対談を終えて 

5章 山に習い、調和を求める林業経営
   大橋慶三郎さん 林業家(大阪府千早赤阪村)
   自然と向き合い、山の法則を知る/
   本質をつかみ、長期の視点で
   大橋慶三郎さんとの対談を終えて

6章 山も人もいきいき。森林組合経営術
   湯浅勲さん 日吉町森林組合(京都府南丹市)
   山主さん、職員、地域がいきいき、三方良し!/
   変化に応えてこその技術力
   湯浅勲さんとの対談を終えて

7章 50年目のチャンスを生かす条件―林業ビジネス戦略
   梶山恵司さん
   まず、ビジネスとしての林業を/
   コスト管理能力が欠かせない
   梶山恵司さんとの対談を終えて

8章 顧客サービス追求型の積極経営
   堀ノ内秀樹さん 南那珂森林組合(宮崎県串間市)
   顧客満足度重視の施業提案/
   人材教育が低コスト化の土台─ 教育重視のマネジメント
   堀ノ内秀樹さんとの対談を終えて

9章 市民主導の里山保全・利用事業
   寺川裕子さん NPO法人里山倶楽部(大阪府河南町)
   そこそこ儲けて、いい里山をつくる!/
   里山管理の市民活動が長続きする理由
   寺川裕子さんとの対談を終えて

10章 針・広多様な山を生かす択伐林業
   田中裕さん 林業家(青森県南部町)
   針・広の長伐期施業/
   百年続く択伐林業は、製材技術があってこそ
   田中裕さんとの対談を終えて

「新たな森林管理」を探す旅は続く

索引

著者略歴

著:藤森 隆郎
1938年京都市生まれ。農学博士。現在、社団法人・日本森林技術協会技術指導役。
1963年京都大学農学部林学科卒業後、農林省林業試験場(現在の独立行政法人森林総合研究所)入省。森林の生態と造林に関する研究に従事。研究業績に対して農林水産大臣賞受賞。1999年、森林環境部長を最後に森林総合研究所を退官。青山学院大学非常勤講師を務めた。気候変動枠組み条約政府間パネル(IPCC)がノーベル平和賞を受賞したことに貢献したとしてIPCC議長から表彰される。

ISBN:9784881382295
出版社:全国林業改良普及協会
判型:A5
ページ数:264ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2010年01月
発売日:2010年01月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNAL