子どものための児童相談所
児童虐待と子どもへの政治の無関心を超えて
編著:浅井春夫
他著:山野良一
他著:川松 亮
内容紹介
2020年、20万5029件(速報値)の「子ども虐待相談」が全国の児童相談所に持ち込まれた。全国の児童相談所は225か所、対応する児童福祉司は4553人。この現実のなかで、子どもに寄り添い、家族に寄り添う児童相談所のいまを伝え、改革の方向を模索する。
目次
はしがき――児童相談所の事実・現実・真実、そして未来を! 浅井春夫 3
第1章 児童相談所は、いま 山野良一
はじめに
1 児童相談所の役割と中心的な職員
⑴ 児童相談所とは ⑵ 相談機能と市町村援助機能―相談の二元化
⑶ 一時保護機能と措置機能 ⑷ 相談内容と専門職員
2 児童相談所や市区町村子ども家庭相談部門の課題
――早急に求められる職員体制の改善
⑴ 児童相談所の人員配置など
⑵ 市区町村(市区町村子ども家庭総合支援拠点)の人員配置など
おわりに
第2章 子どもの虐待と児童相談所 川松 亮
はじめに
1 児童相談所における子ども虐待対応の権限はどう強化されたか
⑴ 児童虐待防止法制定まで ⑵ 児童虐待防止法制定以降
⑶ 近年の国の施策動向
2 児童相談所は子ども虐待にどう対応しているか
⑴ 虐待相談の現状 ⑵ 市区町村と児童相談所との対応区分
⑶ 児童相談所における子ども虐待対応の基本姿勢
⑷ 児童相談所の虐待対応の流れ
⑸ 子どもや保護者を支援する具体的なプログラム
⑹ 虐待対応のための児童相談所組織運営
3 これからの児童相談所の子ども虐待対応
⑴ 児童相談所が抱える課題 ⑵ 司法の関与
⑶ 介入と支援の分離 ⑷ 予防型支援
第3章 児童相談所一時保護所の実情――コロナ禍から見る 鈴木 勲
はじめに
1 コロナ禍における児童虐待相談対応件数の動向
2 コロナ禍における一時保護所の変化
⑴ コロナ禍における児童相談所の相談内容の変化について
⑵ 養護相談(性的虐待)について
⑶ 養護相談(心理的虐待)について
⑷ 新たな児童の相談(ゲーム依存に関する相談)
⑸ 児童の内面的な健康 ⑹ コロナ禍と一時保護所職員
⑺ コロナ禍における一時保護所の運営
3 一時保護所の人材育成のあり方について
⑴ 一時保護所(機能を有する児童養護施設を含む)と職員の研修項目に
関するニーズ ⑵ 研修体系及び指標モデルの提起
⑶ 研修をとおした人材育成のあり方について
4 人材育成をとおした一時保護所の機能強化について
第4章 児童相談所と子どもの未来 浅井春夫
はじめに――童相談所の成り立ちと果たしてきた役割
⑴ 児童相談所の戦後 ⑵ 児童相談所が果たしてきた役割
1 介入と支援の分離か、統合か
2 地域における「予防的支援」を実現する条件
⑴ コロナ禍で見えてきたこと
⑵ 「予防的支援」で検討すべき課題
3 「新しい社会的養育ビジョン」と児童相談所
⑴ 2016年児童福祉法改正をめぐる評価
⑵ 社会的養育の推進は都道府県の課題に
⑶ 日本子ども虐待防止学会の討議を踏まえて
4 児童福祉運営体制の二重構造をめぐる問題
5 「こども庁」創設の提案に関して
⑴ 自民党の「こども庁創設に向けた第二次提言(案)」の検討
⑵ なぜ課題が改善されてこなかったかの解明を
6 児童相談所の労働・環境条件の改善
7 児童福祉司養成課程についての検討
⑴ 児童福祉司になるための現在のプロセス
⑵ 児童福祉司の資格と養成のあり方の検討
⑶ 児童虐待対応先進国のイギリスの資格と職員養成
8 一時保護所改革への提言
9 児童相談所改革への提言
まとめにかえて
ISBN:9784880377322
。出版社:自治体研究社
。判型:A5
。ページ数:176ページ
。定価:1700円(本体)
。発行年月日:2021年12月
。発売日:2021年12月14日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS。